【全賃連載】タイパで高める従業員満足度
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不動産DXで実現する「顧客ファースト」第6回
当社常務庭山が全国賃貸住宅新聞に寄稿している連載記事です。
提供元: 全国賃貸住宅新聞社
一部業務の自動化
Z世代のほとんどが成人する2030年には、全世界で生成される情報量が2010年の1000倍になるという推計がある。
爆発的に増える情報量の中で育ったZ世代、彼らを中心に重視されているのが「タイムパフォーマンス」すなわち「時間対効果」を意味する「タイパ」である。テクノロジーの発展と共にタイパが重視され、あらゆる業界がタイパ向上に取り組んでいる。
不動産業界も例外ではない。では、不動産業界ではどのように顧客や、従業員のタイパを向上させていけるのだろうか。主なパターンを2つ紹介しよう。
一つ目は「業務の部分的自動化」だ。
管理戸数3万戸を抱える賃貸管理会社では、物件対応を自動音声に置き換えて電話が10分の1になり、1ヵ月あたり250時間以上削減した。
電子契約システムを使って、更新の意思確認や契約締結を自動化した会社もある。この会社は更新契約に要する期間を半減できた。オーナー開拓・顧客対応など重要な業務に充てられる時間が増えるため、顧客満足度の向上や業績の拡大にもつながる。
データを一元管理
二つ目は「業務・データの一元管理」だ。ある賃貸管理会社は、物件管理と申込受付のシステムを統一し、空室情報がリアルタイムで連携できるようになった。これにより電話対応の60%、FAX送受信の90%が不要になったという。
データの一元化により、一度入力したデータを複数の業務で活用できるため、ミスの発生も抑制できる。一元化により業務効率が向上し、月20万円以上コストカットできた例もある。
業務・データの一元管理は、エンドユーザーにもメリットがある。申込みから契約までウェブ上で完結できるため、同じ項目を何度も書く手間がなくなる。申し込み情報に不備があってもウェブ上で訂正でき、複数の契約に連携できるためスムーズだ。これにより顧客のタイパも向上する。
人手不足は加速
業務の部分的自動化だけでも効果的だが、業務・データの一元管理によりタイパ向上のメリットはエンドユーザーまで行き渡る。
世の中の情報量は増える一方だが、24年には、初めてすべての都道府県で日本人の人口が減少した。もう仕事のタイパを上げるには待ったなしだ。
しかし、システム導入には人材と時間の不足が課題となることが多い。そこで活用できるのが、「契約業務」や「更新業務」など一部の業務を外部委託できるBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)である。次回はそのBPOについて話そうと思う。
いえらぶGROUP 共同創業者・常務取締役 庭山健一
マンションデベロッパーでの経験を生かして、2008年にいえらぶGROUPを設立。不動産業務支援システム事業、受託開発事業など営業人を統率。14年に常務取締役に就任。
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