不動産の開業に必要な供託金とは?具体的な金額や手続き方法を紹介
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不動産開業時には供託金が必要です。そもそも供託金とは何を表すのでしょうか。この記事では、不動産開業で必要な供託金の種類と供託金が必要な理由、手続き方法について紹介します。
不動産の供託金とは?供託の意味や種類ごとの金額
不動産開業に関連する供託金とは何か、その種類や供託が必要な金額についてもあわせて解説します。
そもそも供託とは何か
供託とは、不動産開業時に供託所にお金を預けることであり、供託所に預けるお金を供託金といいます。不動産開業での供託金には、営業保証金と弁済業務保証金の2種類があり、いずれかを供託しなければなりません。
供託所に預ける供託金は、不動産業でトラブルが生じたときに損害を補償するためのお金です。不動産は、消費者にとって生活基盤のひとつであるため、仲介によって不利益を被ったときには損害賠償を求められるようになっています。
損害賠償の請求を受けたときに、不動産仲介業者が損害を補償できるように、宅地建物取引業法において供託金の預け入れが義務付けられているのです。
供託金の種類①:営業保証金
不動産開業の供託金のひとつが営業保証金です。営業保証金は不動産開業時に供託が必要で、法務局に供託します。
開業後にトラブルがあり、損害賠償金の支払いが必要になった場合、営業保証金の中からお金を出してもらう仕組みです。
営業保証供託金の場合、主たる事務所(本店)の供託金は1,000万円必要です。本店のほかに支店を設ける場合などは、事務所(支店)1カ所につき500万円を最寄りの法務局や支局などに納めます。供託所に納めた供託金の金額が弁済上限額です。
営業保証金に供託する場合、現金以外に、有価証券での支払いも選択できます。
供託金の種類②:弁済業務保証金
弁済業務保証金は、保証協会に供託する供託金のことを指します。供託金の額は、主たる事務所(本店)で60万円、その他の事務所(支店)で30万円です。営業保証金と比べて供託金の額を抑えられるため、よく利用されています。
ただし、弁済業務保証金を供託するためには、保証協会への入会が必須な点に注意が必要です。
保証協会の入会にあたっては、入会金や会費などの諸経費の支払いが必要になります。諸経費まで含めると必要なお金の合計は170万円程度です。弁済業務保証金の60万円だけでなく、そのほかにも支払いが必要ですので事前に資金を準備しておきましょう。
なお、営業保証金の場合は有価証券でも支払い可能ですが、弁済義務保証金は現金のみの支払いになります。
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不動産開業前に供託金を納めるメリットは?
不動産開業における供託金には、営業保証金と弁済業務保証金がありますが、法律上いずれかに供託すれば問題ありません。では、営業保証金と弁済業務保証金のどちらを選べば良いのでしょうか。
営業保証金と弁済業務保証金のそれぞれのメリットについて解説します。
営業保証金のメリット
営業保証金を供託するメリットは、保証協会に入会するより、不動産開業までの手続きを円滑に行えることです。
弁済業務供託金制度を利用するために保証協会へ加入するときは、宅建業の免許通知を受けたあと、さらに保証協会の審査を経なければなりません。その点、営業保証金は保証協会に入会する必要がありませんので、入会の審査もなく手続きを短縮できます。
営業保証金であれば、免許通知のはがきが届いたその日に供託の手続きをすれば、宅建業免許証を受けることも可能です。
また、営業保証金であれば、保証協会への入会が必須ではないため、会費など、毎月あるいは毎年継続してかかるコストがありません。開業時に供託する額だけで済みます。供託金の額は大きいですが、支払う金額が明確なのは営業保証金のメリットといえるでしょう。
さらに、不動産を廃業するときは、供託金のほぼ全額を取り戻し請求ができます。弁済業務保証金は供託金の返済はあるものの、そのほかのコストは戻ってきませんので、その点も営業保証金のメリットといえそうです。
弁済業務保証金のメリット
営業保証金ではなく弁済業務保証金を選択するメリットは初期にかかるコスト面です。本店を設置するときの弁済業務保証金は60万円、保証協会への入会費などの諸経費を含めても170万円程度ですので、不動産開業時に多額の供託金を用意せずに済みます。
営業保証金より初期費用を抑えられるということは、資金が少なくても開業できるということです。初期費用をあまりかけずに開業するなら、弁済業務保証金を選択した方がメリットは大きいでしょう。
また、弁済業務保証金も、営業保証金と同じように、廃業時に供託金のほぼ全額を取り戻し請求できます。ただし、供託金に含まれない保証協会の年会費や入会金などは返金の対象外です。
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不動産の供託金の手続き方法を紹介
不動産開業時の供託をどのように行うのか、営業保証金の場合と弁済業務保証金の場合とに分けて供託金の手続きを紹介します。
営業保証金の供託手続き
供託金の手続きができるのは、事務所所在地の都道府県知事から免許通知が届いたあとです。宅建免許通知が書面で届いたことを確認して、本店の最寄りの供託所(法務局、地方法務局、支局や出張所)で開業申請を行います。
供託の手続きは、開業する事務所の数だけ必要です。本店以外に支店もあわせて開業するときは、支店の分も開業申請を行います。
供託所で開業申請を終えたら、供託金を納付しなければなりません。納付先は、申請先と同じく、法務局や地方法務局などの最寄りの供託所です。支店を設けるときは、支店ごとに500万円の供託金が必要ですので、こちらも用意しておきましょう。
供託所で申請と営業保証金の納付を終えたら、供託書の写しを事務所所在地の都道府県知事に提出します。提出は、免許通知の日から3ヶ月以内が期限です。
弁済業務保証金の供託手続き
営業保証金のときと同様、弁済業務保証金も都道府県知事から免許通知が来た段階で手続きができるようになります。
弁済業務保証金を利用するときは、保証協会への加入が必要です。主な保証協会は、以下のとおりです。
・全国宅地建物取引業協会連合会
・全日本不動産協会
・不動産流通経営協会
・全国住宅産業協会
いずれかの保証協会に加入の申請を行い、入会資格審査が行われたあとに供託金(弁済業務保証分担金)を納付する流れです。納付した供託金は、保証協会を通して法務局に預けられます。
弁済業務保証金の入会時には、60万円(本店の場合)の供託金のほか、保証協会に加入するための入会金や会費が必要です。
不動産開業での供託金に関連して、以下の記事では不動産の開業に必要な資金を解説しています。こちらの記事もあわせてご覧ください。 不動産仲介業の開業には「宅地建物取引士」の資格が必要!その理由と他の活用可能な資格
まとめ
不動産開業では、宅地建物取引業法において供託金の義務付けがあるため、営業保証金制度、弁済業務保証制度のいずれかを利用した供託が必要です。しかし、不動産開業で考える必要があるのは供託金だけではありません。
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