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【不動産仲介業】開業に宅地建物取引士の資格が必須とされる理由とは

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不動産仲介業の開業にあたっては、さまざまな準備が必要です。資格の面ではどのような準備が必要なのでしょうか。

今回は、不動産仲介業の開業に必要な資格や役立つ資格について紹介します。

不動産開業を成功させるために

不動産仲介業の開業には「宅地建物取引士」の資格保有者が必須!

不動産仲介業を開業するには、宅地建物取引士(宅建士)を置かなくてはなりません。宅地建物取引士は、不動産業務を行うための国家資格です。

宅地建物取引士は、国家試験に合格し、かつ試験が実施された都道府県知事の資格登録を受けたうえ、同都道府県の知事から宅地建物取引士証の交付を受けた者のことを指します。

不動産業のうち、不動産仲介業の開業には必須です。ただし、不動産賃貸業や不動産投資のみを行う場合は、宅地建物取引士の資格は必須ではありません。

宅建業免許の申請条件に宅建士の必置義務がある

宅地建物の売買や交換、賃借の媒介など、宅地建物取引業を行う場合は、ひとつの事業所につき従業員5人に1人以上の割合で、成年者である専任の宅地建物取引士の設置が義務付けられています。

なお、宅地建物取引士は、必ずしも経営者自身が保有する必要はありませんが、有資格者の雇用が必要です。

また、宅建業免許の申請条件として、前述した宅地建物取引士の事業所への設置人数以外にもいくつかの項目が設けられている点に注意しましょう。主な条件は下記のとおりです。

事務所の設置

事務所として認められるのは、継続して業務が行え、他業者や個人の生活部分から独立している場所のみです。近年需要が高まっているシェアオフィスやレンタルオフィスを利用する場合、独立したスペースを得られる個室プランでなければ要件を満たせません。

また、本店所在地とは別の都道府県に支店や事務所を構えている場合は、都道府県知事免許ではなく国土交通大臣免許の申請・取得が必要です。

代表者及び政令で定められた使用人の常駐

法人・個人の代表者(代表権限を行使できる立場にいる人物)は、原則として事務所への常駐が必須とされています。何らかの事情で常駐できない場合は、代表権行使を委任した「政令で定められた使用人」を事務所へ設置することで免除されます。

「政令で定められた使用人」は一般社員ではなく、支配人または支店長などに相当する人物でなくてはなりません。

欠格要件に該当していないこと

免許を受けようとしている代表者および政令で定められた使用人、あるいは法定代理人が欠格要件に該当している場合は、交付不可となります。

欠格要件とは、何らかの問題行為(免許不正取得や不正不当行為など)によって、免許取り消しを受けたり廃業届を行ったりした日から5年以内の場合を指します。そのほか、過去5年以内に宅地建物取引業法違反などで罰金処分を受けた場合など、欠格要件となるケースは複数あります。

営業保証金の供託または保証協会への加入

免許取得から3ヶ月以内に、下記いずれかの対応が求められます。

・営業保証金(弁済業務保証金)を供託する
・保証協会に加入する

免許の通知を受け取った後に上記の対応を行い、営業保証金供託済届出書など証拠となる書類を提出することで、免許受領となる仕組みです。

また、宅建建物取引業を開業する際には、必須となる免許や要件もあります。それらにかかる費用面についても、下記のページにて詳しくご紹介していますので、参考にしてみてください。「宅地建物取引業免許とは?申請費用や手順について解説」

取引時に宅建士にしかできない業務がある

不動産の取引時において、宅建士でなければやってはならない3つの独占業務があります。

契約締結前に行う重要事項の説明

宅建士の独占業務のひとつが、重要事項の説明です。不動産取引では、トラブルを防止するために、不動産の売買や賃貸の契約締結の前に、物件に関する重要事項を必ず説明しなければなりません。

重要事項とは、所在地や物件の所有者、電気やガス、水道などの設備状況など物件の情報、取引条件に関わる重要な情報のことです。このような不動産契約前の重要事項の説明については、宅建士にしか認められていません。

重要事項説明書面(35条書面)への記名押印

重要事項説明時は、口頭で説明するだけではなく、「重要事項説明書」(35条書面)を作成し、物件を購入しようとする人、あるいは物件を借りようとする人に交付しなければなりません。

交付時には、記載内容の責任の所在を明らかにするためにも、宅建士が記名と押印をする必要があります。重要事項説明書の責任を負い、記名押印することも宅建士の独占業務のひとつです。

契約内容を記した書面(37条書面)への記名押印

重要事項説明書に基づき重要事項を説明した後、取引が成立した場合は、不動産取引の契約書を作成することになります。

契約についての重要な内容を記載した書面を37条書面ともいいますが、契約時には、契約書記載の内容に間違いがないか確認した上で、宅建士が記名と押印を行わなければなりません。

契約書の内容に問題がないか確認するには専門知識が必要になるため、契約内容を記した書面への記名押印も宅建士の独占業務となっています。

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不動産開業を成功させるために

【取得方法】宅地建物取引士の試験概要を知る

宅地建物取引士の試験概要

受験資格 誰でも受験可(年齢、性別、学歴などの制約なし)
出題形式 四肢択一式50問の筆記試験(※登録講習修了者は45問)
試験日 毎年1回 10月の第3日曜日(13~15時の2時間)
※登録講習修了者は13時10分~15時の1時間50分
試験場所 原則、住んでいる都道府県
受験手数料 8,200円
合格率 15%程度

※正確な情報は公式サイトを参照

宅地建物取引士の試験案内は、毎年7月にインターネット上に掲載され、各都道府県の指定の場所で配布が開始されます。受験を希望する場合は、7月中に受験申込の受付を済ませておきましょう。なお、インターネットと郵送では申込受付可能な時期が異なるため注意が必要です。

受験申し込みが完了すると8月下旬ごろに試験会場の通知、9月末ごろに受験票が送付されます。受験後の合格発表は、11月の最終水曜日か12月の第1水曜日です。

なお、宅地建物取引士の試験に関連して、宅建登録講習という講習が実施されています。宅地建物取引業従事者を対象とした、宅地建物取引業法第16条第3項に基づいて行われる講習です。講習の受講者は、登録講習修了試験の合格日から3年以内は問題の一部が免除されます。

試験合格後は「登録」を忘れずに行うこと!

宅地建物取引士の試験に合格しても、宅建士としての独占業務はできません。宅建士の業務にあたるには登録が必要です。

宅建士の登録は任意のため、宅建業務を行わないときは登録の必要はありません。しかし、不動産仲介業を開業するときは、宅建士の設置が必須になることから、試験合格後は必ず登録しましょう。

宅建士の登録は、受験した都道府県で行い、宅建士証の交付を受けなくてはなりません。宅建士の試験については受験資格が設けられていませんが、登録の際は、原則2年以上の宅地建物取引の実務経験が必要です。

実務経験が2年に満たないときは、講座の受講と2日間のスクーリングで構成された登録実務講習を修了することで条件を満たすことができます。

不動産開業時に活用できる資格

不動産仲介業において宅地建物取引士は必須の資格です。一方で、宅地建物取引士と併せて取得しておくことで、他社との差別化を図れる資格もあります。不動産に関する資格と接客に関する資格に分けて、活用できる資格をいくつか紹介します。

不動産に関する資格

宅地建物取引士以外で、不動産仲介業の開業に役立つ資格には、不動産鑑定士、土地家屋調査士、マンション管理士、賃貸不動産経営管理士の4つがあります。

不動産鑑定士

不動産鑑定士は、地域の環境などを考慮し、適正な地価や適切な土地の有効利用を判定する専門家です。国や都道府県による地価調査、固定資産税標準宅地の評価、相続税標準地の評価、なども不動産鑑定士が行います。

また、不動産鑑定士は、不動産の価値だけでなく、土地の有効利用についても判断できる専門家です。専門的な知識を活かして、不動産の有効活用や開発計画などのコンサルティング業務を行うこともあります。

不動産仲介業の開業にあたり、賃貸借における家賃や更新料、不動産の売買や交換において鑑定評価を行う際に役立つ資格です。

土地家屋調査士

土地家屋調査士は、不動産の調査や測量を行うことで、正確な情報を登記記録に反映させる専門家です。正確な登記記録により、国民の財産を明確にし、不動産取引での安全を確保する役割があります。具体的には、以下のような業務を行う専門家です。

・登記に必要な土地や家屋の調査や測量
・不動産表示に関する登記の申請手続きの代行
・不動産表示に関する審査請求の手続きの代行
・筆界特定(土地の一筆の境界を特定すること)の手続きの代行
・筆界が明確でないときの民事紛争や解決手続きの代行

マンション管理士

マンションの管理組合に対して、物件の維持管理に関するアドバイスを行うのがマンション管理士です。そのほか、マンションの管理規約や長期修繕計画を策定したり、区分所有者間のトラブルに対応したりします。

国家資格であり合格者数が毎年8〜9%程度であることから、重宝されることの多い資格です。大規模修繕の計画や実施にも関わるため、不動産売買においては物件の購入を検討している顧客に対して資産価値以外の観点からもアドバイスできる強みがあります。

また、トラブル対処の経験を踏まえたアドバイスも顧客が物件を選ぶ際の有益な情報として喜ばれます。

賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士は、不動産仲介業として開業された方の中で、将来的に賃貸管理業にも挑戦したいという方は取得しておいて損はない資格です。賃貸住宅管理に必要な知識や技能によって、賃貸住宅管理の適正化や健全化に貢献することを目的としています。2022年の試験合格率は27.7%です。

主に、アパートやマンション等の物件管理、入居募集、入居審査、市場調査などの賃貸不動産管理業務を担います。その業務は多岐にわたりますが、その分、業務の幅を広げ、顧客満足度の向上も期待できます。「2021年6月施行賃貸住宅管理業法とは?禁止される行為や義務について解説」

接客に関する資格

接客に関連する資格で、不動産仲介業の開業に役立つのが、ファイナンシャル・プランナーと住宅ローンアドバイザーの資格です。

ファイナンシャル・プランナー

ファイナンシャル・プランナー(FP)は、金銭面でのさまざまな悩みをサポートすることで、個々の夢や将来への目標に向けた解決策とアドバイスを提供する専門家です。家計のホームドクターともいわれます。

ファイナンシャル・プランナーという名称は誰でも名乗ることができます。しかし、専門知識を有している証明としてFP資格を取得しておくと良いでしょう。不動産に関連したところでは、住宅ローンや相続、資産運用などの面で活用できます。

住宅ローンアドバイザー

住宅ローンアドバイザーは、住宅ローンの専門家です。公正な立場で情報提供やアドバイスを行う役割があります。顧客が最適な住宅ローンを選択できるよう、消費者保護や説明責任を果たす資格者で、住宅ローンに関するアドバイスをサービスとして提供する際に役立つ資格です。

インテリアコーディネーター

顧客の要望やトレンドを取り入れて、空間を生まれ変わらせるのがインテリアコーディネーターです。ニーズに合わない築年数の古い物件も、顧客の要望を聞きながらトレンドを取り入れた空間に飾り立てることで物件の成約に貢献します。

顧客の家族構成やライフスタイル、予算を考慮し、その顧客に合ったインテリアを提案できるため、顧客に対するアフターフォローの面で見ても、インテリアコーディネーターの需要は増加傾向にあります。

まとめ

不動産仲介業の開業では、必要な資格を取得しておくことも大切ですが、開業後も継続して安定した経営を行うには、業務の効率化と集客力が必要です。業務効率化と集客力強化の両方が可能なシステムも検討しておきましょう。

株式会社いえらぶGROUPが提供する「いえらぶCLOUD」では、物件管理や顧客管理、賃貸管理など、不動産管理業務の一元管理や作業が自動化できます。

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不動産開業とあわせて、いえらぶCLOUDの導入もぜひご検討ください。

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株式会社いえらぶGROUP

この記事を書いた人株式会社いえらぶGROUP

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