不動産業界の課題解決につながる不動産テックとは。活用する際のポイントを紹介
目次
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不動産テックという言葉がよく聞かれるようになり、ほぼ同じ意味で、業界を問わず使われるDX=デジタルトランスフォーメーションという言葉も広まりつつありますね。
この不動産テック、どんな会社も進めていくべきものなのでしょうか?
今回は不動産テックとは何か、メリットや今後の普及の見通し、不動産テックの活用に成功するためのポイントについてお伝えします。
不動産テックとは「不動産業界の課題解決にテクノロジーを活用する」こと
不動産テックとは、テクノロジーを不動産と組み合わせることで、業界が抱える課題解決や新たな仕組みを創出することを指します。具体的にどのようなサービス領域があって、どのような変動をしてきているのか、詳細を紹介します。
多様な不動産テックのサービス領域
不動産テックは、次の12のサービス領域に分けられます。
VR・AR | VR・AR機器を活用したサービス |
IoT | ネットワークに接続したツールを活用して、オートロックや入退室管理システムなどを行うサービス |
スペースシェアリング | 空きスペースのシェアサービスやマッチング |
リフォーム・リノベーション | リフォーム・リノベーションの企画設計施工やマッチング |
不動産情報 | 不動産に関連するデータの分析や提供を行うサービス |
仲介業務支援 | 不動産売買や賃貸の仲介を支援するサービス |
管理業務支援 | 不動産管理会社の業務効率化を支援するサービス |
ローン・保証 | ローンや保証サービスの提供、仲介、比較のサービス |
クラウドファンディング | 個人から募った資金を利用した不動産の投融資や資金需要者と提供者のマッチングサービス |
価格可視化・査定 | データを用いた不動産価格や賃料の査定などを行うサービス |
マッチング | 物件のオーナーと利用者、労働力と業務をマッチングするサービス |
物件情報・メディア | 物件情報を集めて掲載するサービス |
中でも多くの不動産会社で一般的に利用されているのが、「物件情報・メディア」の領域です。たとえば、多くの物件情報を掲載しているポータルサイトが該当します。複数の不動産会社が所持する物件情報を横断して閲覧できるため、物件を探している利用者にも有益なサービスです。
不動産業界の業務効率化に貢献する領域には、仲介業務支援や管理業務支援などがあります。不動産会社は、さまざまな業務をこなす必要があることから、業務負担の軽減やコストカットにつながる支援サービスも注目度が高いです。
また、近年の動きとしては、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)を不動産情報として活用するサービスも見られるようになってきました。疑似内見や家具の配置のシミュレーションなど活用が広がっています。
拡大傾向にある不動産テックの市場規模
不動産テックの市場規模は、近年拡大傾向にあります。株式会社矢野経済研究所の調査では、2020年度の不動産テック市場規模は約6,110億円でした。2025年には1兆2,461億円に拡大すると予測されています。
出典:「不動産テック市場に関する調査を実施(2021年)」(株式会社矢野経済研究所)
このように日本の不動産テック市場の急激な拡大が予測されているのは、不動産業界市場そのものが巨大な市場であるためです。加えて、新型コロナウイルスによる影響も受けて、不動産業界においても非対面営業が進んだことも要因となっています。
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不動産経営の明暗を分ける?不動産テックが注目されている背景
不動産テックはどんな会社にも数々の導入メリットがあり、今後も普及が進んでいきます。
では、その根拠から解説をします。
政府により企業のIT化が推進されている
日本は今、少子高齢化から人手不足が深刻化しているため、働く人が少ないのであれば、労働生産性の向上を目指そうというのが、国としての考え方です。
そこで、経済産業省が核となり、IT補助金の交付や、各種法令の整備など、人出不足への政策が進んでいる状況です。
IT重説導入などもその法整備の一環であり、不動産業でも各社一斉にIT化が進むことによる業務効率化の相乗効果が期待されているのです。
非接触型サービスの需要が高まっている
コロナ禍でエンドユーザーのなかにも「やらなくていい移動や接触ならば、極力避けたい」という考えが定着し、不特定多数の人が出入りする場所に抵抗を感じる方が増えています。
そのため、「実際に不動産店舗に行くのは控えたい」と考えるお客さまもいるでしょう。
不動産テックが進んだ環境ならば、今後内見から契約まで、非接触で完結するケースが増え、そういったニーズにも応える必要があります。
そこで、これまで対面でおこなってきた業務を、オンラインやデータベース共有、電子認証など不動産テックの技術でカバーするニーズが生まれてきました。
情報の不透明性が問題視されている
不動産業界では、長年にわたって情報の不透明性が問題視されています。特に問題なのは、不動産に関する情報が仲介業者に偏っていることです。これにより、不動産仲介業者を通して物件を売却したい人や物件を購入したい人など、消費者が不利になってしまうケースがあります。
しかし、この状況は不動産テックの参入で緩和されつつあります。売り出し情報の制限による囲い込みなど、グレーな行為を監視できるようになったためです。
慢性的な人手不足の解消が期待されている
他の業界同様に不動産も、人手不足や長時間労働に悩まされている業種です。
業界の慢性的な人手不足の原因のひとつとなっているのが、長時間労働や業務負担の大きさです。不動産業界では、接客や物件データの管理、契約手続きなどで長時間を要し、かつ稼働状況が読めず、突然時間が取られる状況があります。
今まで労働上の問題は、なかなか解消が進んでいませんでした。こうした問題は人手不足につながるだけでなく、顧客サービスの質にも直結するため、解決したいニーズが年々高まっています。不動産テックは、このような不動産業界の業務改善を進めていくのにも効果的です。
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不動産テックが解決に導く不動産会社の悩み
それでは、不動産業によくある悩みを、仲介業、管理業それぞれで不動産テックのサービスを用いて解決する具体例をご紹介します。
仲介業の悩み
インターネットの集客が思わしくない
インターネット集客を成功させるには、常に最新の、豊富な情報を発信し続ける必要があります。
これらをIT化で効率良くおこなうことができれば、集客の時間が足りないという悩みから解放され、より多くの反響も得ることができます。
担当者が休みの日に追客対応できない
問い合わせをいただいたお客さまの情報をスタッフ全員がデータベースで合理的に共有できれば、追客もれを防ぎ、成約率のアップにつながります。
内見などの接客や契約の関連業務に時間をとられる
内見など接客業務や重要事項説明、契約をオンラインでおこなうようにすると、スタッフとお客様双方の、時間と経費の節約になります。
また、内見などのオンライン接客は成約率を高め、キャンセル率を下げる追客手段としても機能します。
物件入力、物件確認などのメンテナンスに時間をとられる
自社ホームページの物件入力やメンテナンスの効率化は、残業時間を1日2時間単位など、大幅に減らせる要因となります。
不動産テックのサービスでは、ポータルサイトへの物件入力をワンクリックで連動できる機能もあり、これも時短と、ヒューマンエラー防止につながります。
管理業の悩み
契約、更新、保険など、各書類の管理がバラバラで効率が悪い
賃貸管理システムを利用すれば、顧客データや管理物件のデータを一元化できます。一回の書き換えですべての帳票に反映し、すべてのスタッフに共有されるため業務を効率化できます。
契約業務に時間と予算をとられる
いままで紙の書面でおこなっていた契約関連のやりとりを電子契約に変更すると、来店や郵送の対応コストが削減でき、印紙代も不要になります。
入出金管理が複雑で共有できない
人の動きと同様に、お金の流れも一元化して管理することで、たとえば物件オーナーへの収支報告書もワンクリックで作成、出力が可能になります。
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不動産テックを最大限活用するための3つのポイント
不動産業もエリアや業態で業務の内容に違いがありますし、システム導入にはそれをうまく活かすノウハウも存在しますので、以下の点にご注意ください。
自社にどのような機能が必要か見極める
不動産テックにもさまざまなサービスがあります。
まずは自社の業務の改善したい点を洗い出し、どこにコストや時間を改善する余地があるか、検討をしましょう。
さらに、改善点と照らし合わせて自社に適した製品やサービスを絞り込んでいきます。便利だからとむやみやたらに導入するサービスを選ぶのは避けましょう。導入後に使いこなせなければ、導入費用が多くかかってムダになってしまうことがあるためです。
しかしながら、事業の様相は変化するものです。幅広く選べて、今後の方向性によって機能追加やプラン変更できる柔軟なサービスが、理想と言えるでしょう。
ITの専門家やコンサルを活用する
ITの世界は日進月歩で、インターネットや不動産テックの技術も日々新しい利用法や、成功のための専門的ノウハウが生まれてきます。
不動産テックのシステムサポートを通して、これらの技術面に関する支援を受け続けられるかどうかは、不動産テック活用の成否を決めます。
「入れたけど使ってない」では、ただコストをかけただけで終わってしまいますので、専門知識のあるサポートスタッフ・コンサルスタッフとタッグを組み、システムの活用をしましょう。
不動産業界の最新の動向に対応している不動産テックを選ぶ
不動産テックの世界にはIT重説や電子契約のように、近年法整備が整って、これから普及が本格化するようなものもあります。
IT重説や電子契約は導入することで、自社の業務改善とお客さまへのサービスと双方にとって非常にメリットの高いものなので、こうした最新の動向に対応していることは重要なポイントです。
内見などのWEB接客もIT重説と同様に、これから自社と顧客双方に大きなメリットを生んでいくでしょう。
IT重説や電子契約、WEB接客をまとめて進めていきたいなら「いえらぶCLOUD」が便利です。
いえらぶCLOUDの「WEB接客」機能を利用すれば、IT重説に活用できるほか、オンライン内見案内にも利用できます。録画機能も付いているため、重要事項説明において「説明がなかった」などのトラブルを防止することも可能です。
また、「いえらぶサイン」を利用すれば、契約関係がオンラインで完結できます。郵送費などの余分なコストをカットできるほか、多方面のやり取りにかかる手間の削減が可能です。契約更新や解約対応もスムーズに行えるため、大幅な業務効率化につながります。
不動産業務に課題を感じているなら、いえらぶCLOUDの導入をご検討ください。
まとめ
不動産テックとはどのようなものか、今後の普及の予測、活用方法と成功ノウハウなどを解説しました。
日常業務が忙しく、現在それなりに回っている状況で新しいことを導入するのは大変かと思いますが、今後の発展のため、前向きの取り組みをおすすめします。
不動産テックのご活用とご成功をお祈りします!
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