2年で管理戸数を倍増させた高効率賃貸管理モデルとは?
登壇者紹介
株式会社FASTORY 専務執行役員 荒瀬朋之氏
東証一部上場不動産会社にて部長職を務めた後、株式会社FASTORYに参画。
BPO導入やインフラ整備を積極的に行い、根本的な管理業務を見直す仕組み作りを行う。
自身は800戸近くを1人で管理しており、高効率賃貸管理モデルを実現している。
会社名 | 株式会社FASTORY |
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設立 | 2019年2月 |
代表者 | 代表取締役 塚本啓太 |
本社 | 東京都渋谷区南平台町13-11 WEST 302号 |
資本金 | 9,800,000 |
事業内容 | 不動産の所有 賃貸、管理、運用、売買及びその仲介 |
株式会社らくなげ 代表取締役 新元翔大
株式会社OH YEAH創業者。クラウドファンディングでは4,000万円調達した経験がある。
現在、株式会社らくなげにて賃貸管理会社向けBPOを提供し、管理会社の業務効率化に貢献している。
会社名 | 株式会社らくなげ |
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設立 | 2020年8月 |
代表者 | 新元 翔大 |
本社 | 〒160-0023 東京都新宿区西新宿2丁目6−1 24F |
資本金 | 66,582,500(2022年1月31日時点) |
事業内容 | 賃貸管理BPO「らくなげ」 |
らくなげについて
はじめに新元から、株式会社らくなげが提供しているサービスを紹介いたします。
らくなげの概要
新元:株式会社らくなげ(以下:らくなげ)は、不動産業務経験が豊富なアシスタントが賃貸管理業務を徹底的に代行サポートするサービスを展開しています。賃貸管理会社の膨大な事務作業を代わりに行うことで、賃貸管理業界の人材不足問題を解消します。
また、らくなげのポイントは3つあります。
1. 厳選された経験豊富なアシスタント
代行には、5〜10年以上の賃貸管理業務経験があるスタッフがあたるので、様々な事務作業をスムーズに代行できます。不動産会社ごとに業務フローは異なるため、導入初期にディレクションを行う必要がありますが、その後はらくなげ側でマニュアルを作成し業務を行います。
2. 幅広い業務に対応
募集業務から更新・解約業務まで幅広い業務を代行できます。管理会社は賃貸管理業務を1つから代行依頼できるので、繁忙期に力を入れて、閑散期に稼働を減らすことで無駄な人件費の削減に貢献します。また、従業員の急な退職、病欠などのリスクを回避する効果も期待できます。
3. コア業務に集中できる
不動産会社は、手間のかかる事務作業をらくなげに外注することで、賃貸仲介・売買・オーナー対応など売上が発生する本来力を入れるべき「コア業務」に集中できるようになります。
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高効率賃貸管理モデルについて
高効率賃貸管理について、株式会社FASTORYの荒瀬氏に紹介していただきます。
高効率賃貸管理モデルとは
荒瀬氏:高効率賃貸管理モデルとは「オーナー」「入居者」ともに高い満足度を実現し、担当一人あたり1,000戸ベースで運営できる仕組みのことです。一方で、一般的な管理会社は管理戸数の増加につれて「オーナー」「入居者」ともに満足度は下がっていきます。
また、高効率賃貸管理モデルを実現する上で、賃貸管理会社の経営課題は以下3つにあると考えています。
業務の逼迫 | 戸数拡大と共に増える業務 |
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コストの逼迫 | 戸数拡大と質向上には人材の投下が必須 増えれば増えるほど人件費が圧迫 |
時間の逼迫 | バックオフィス業務に時間が奪われ次の施策が出ない、試せない。 |
高効率賃貸管理モデルの実現方法
1. 業務を効率化する
荒瀬氏:高効率賃貸管理モデルを実現するには、3つの方法があります。
外注化 | 責任者含め賃貸管理の素人が多い為、業務ごとに外注スタッフに教えるコスト が発生し初期導入に時間とお金がかかる。 |
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パート活用 | 繁忙期と閑散期で業務量の変動が激しく、多く採用しておくことが難しい。 少ない人数でやることがどうしても必須。 育てた後、やめないように工夫が必要。 |
デジタルシフト | 複雑な賃貸管理の業務フローを完成させ数多くあるシステムを探し導入検討し た後、システムに沿った業務フローの構築をやり切らなくてはいけない。 |
荒瀬氏:当初FASTORYは、従業員教育のコストがかかることや、辞めてしまうリスクがあるパートやアルバイトを採用するのではなく、近年日本で注目を集めているBPOに賃貸管理業務の外注を依頼しました。しかし「賃貸管理業務は専門性が高すぎる」と断られてしまったんですね。
そんな時に賃貸管理業務の高いクオリティーが担保された「らくなげ」に出会い、賃貸管理の効率化を目指し一念発起しました。らくなげは、細かいタスクを一括で依頼できるのでバックオフィスの作業時間を大幅に削減することができます。これにより、従業員がオーナーさんへの対応に集中できる、効率的な経営を実現できるようになりました。
2. 売上拡大のための施策を実施
荒瀬氏:効率的な経営を実現した結果、売上に直結するコア業務によりリソースを割けるようになりました。浮いた時間やヒューマンリソースで売上拡大のために以下2つの施策に取り組んでいます。
戸数単価の向上 | 一戸当たりの収益性の分析と改善施策の実行 |
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既存オーナーの物件開拓 | カスタマーサクセス部署を組織し、オーナー向け商材の発掘と提案の実行 |
荒瀬氏:カスタマーサクセス部署は以下3つが主な業務になります。
・既存オーナーの保有物件の洗い出し
・オーナーのランク分け
・オーナー向け商材の発掘と提案
荒瀬氏:これらを遂行することで、ランクの高いオーナーに徹底的に寄り添うことが可能です。また、オーナー向けの商材を発掘し、提案することでさらなる売上向上を期待できます。
らくなげを導入して、導入前まで多大なリソースを割いていたバックオフィス対応の負担が減りました。また、オーナー対応に時間を割くことができるようになり、オーナーが所持する他の物件の管理を任せてもらえるようになっています。
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パネルディスカッション
らくなげへの質問
立ち上げ経緯は何ですか?
新元:
とてもシンプルで、管理業務をしていた時に忙しいなと感じたからです。賃貸管理会社の繁忙期は業務量が閑散期の2倍から3倍になることがあります。繁忙期に合わせて人を採用すると、閑散期は人余りになるので、閑散期に合わせて採用するしかないんです。閑散期の人数で繁忙期は頑張って乗り越えようとします。
また、不動産業界あるあるで、4年くらいすると担当者が急に辞めちゃうんですよね。急に辞めちゃうとその人は何をしてたんだろうとなります。最近では業務を縦割りでやられている不動産会社も増えました。それでもトップが辞めてしまうと誰が何をしていたのかわからなくなります。
優良な不動産業務支援システムは沢山ありますが、システム運用にのらない不動産会社も多くいます。そこで「私たちがプロフェッショナルになって、解決していければよいのでは」と思いました。最初はシステムを作ろうと思いましたが、既に優良なシステムは沢山あったので、運用する側に回ろうと思ったのが立ち上げの経緯ですね。
上手くいかなかった事例はありますか?
新元:
管理会社との関係性の構築がうまくいかなかったことですね。管理会社側が「お金を払っているんだから、管理業務全般みてよ」というスタンスだった時はうまくいきませんでした。
やはり、管理会社と一緒に事業を成長させていけるようなスタンスでないとうまく運用させることができません。腹をくくって管理会社と話し合えるようになるまでは、管理会社側の要望とらくなげが対応できる業務がかみ合わず苦労しました。
現在は、ご依頼いただいたらキックオフミーティングを行い、そこで弊社の役割をはっきりさせるようにしています。
成功した事例はありますか?
新元:
管理会社にとって、業務を切り分けることはとても難しいです。そのため外注すること自体のハードルが高いことが課題でした。どのように業務を切り分けて弊社に投げていただくかという部分で、立ち上げ当初苦労しました。
そこで、管理会社の業務をフローに落とすことをやり続けました。継続したことで、ほとんどの管理会社の業務を聞けばパッと理解できるようになりました。
それ以降は、逆に業務フロー改善の提案もできるようになりました。そこからはスムーズに業務を投げていただけています。
料金体系について教えてください。
新元:
基本的には時間で料金をいただいております。20時間、50時間、70時間の3つのプランの用意があります。
業務ごとに料金プランを設けていた時もありましたが、管理会社ごとに業務フローが違うので、時間制で料金をいただくようになりました。
FASTORYへの質問
一番苦労したことは何ですか?
荒瀬氏:
一番は、マニュアルがなかったことですね。業務担当者の頭にしかないノウハウをマニュアルとして作成してから変わりましたね。なにかあればマニュアルで線引きできるようになったのが大きいです。
先日、内装業者とやり取りをする担当者が急にやめてしまいましたが、マニュアルがあったことで、担当者の知識が残ったことで乗り切ることができました。
手が空いた従業員さんはどうされたんですか?
荒瀬氏:
オーナーサクセス部署を立ち上げました。オープンチャットを使って、やり取りなどの情報がブラックボックスにならないようにしています。とにかくオーナーに商材を提案する。物件売買もやっているのでどんどん売っています。
管理担当になった社員のモチベーションを上げるコツを教えてください。
荒瀬氏:
上司が方向性を決めてから協力してほしいと伝えるようにしています。期限とやるべきことにコミットするためです。「ダメだったら教えてね」と伝えてPDCAを回すようにしています。
また、上司がどう思っているかを部下に押し付けても温度感の差は埋まりません。言うだけではなく、自身が「やる姿勢」を見せるようにしています。自身がやらないと部下はついてきません。
そして、モチベーションを上げるための仕組みとして歩合制をちょこちょこ導入しています。浮いたリソースは、そういった所で使うようにしています。
家賃保証会社はどちらをご利用ですか?
荒瀬氏:
既存顧客もあわせて、全ていえらぶの家賃保証に乗り換えています。FASTORYはいえらぶCLOUDの賃貸管理システムを使っているので、家賃保証をいえらぶで統一すると消込業務も一元化できるんですね。それがとにかく楽です。
保証会社がバラバラだと、消込作業が大変ですよね。いえらぶCLOUDなら1分で終わります。一つのシステムを見れば、管理の空室から退去までの業務を完結できるのは便利ですね。
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まとめ
✔らくなげとは、業務経験豊富なアシスタントが賃貸管理業務を代行するサービスのこと
✔高効率賃貸管理モデルとは、担当一人あたり1,000戸ベースで運営できる仕組みのこと
✔高効率賃貸管理モデルを実現するために、らくなげを利用して業務を効率化
✔空いた時間で、売上拡大のための施策を実施
今回は、株式会社らくなげの新元と株式会社FASTORYの荒瀬氏に、高効率賃貸管理の実現方法を話していただきました。
人材不足が深刻化していく中、解決策の1つとして参考にしていただけると幸いです。
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