【管理会社向け】賃貸の契約後、契約開始前にキャンセルされたらどうなる?

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賃貸管理をしていると、いきなり契約のキャンセルをされたという経験がある方もいるのではないでしょうか。重要事項説明や契約書にサインをしたにもかかわらず、キャンセルされてしまうなんて…、悲しいことですが、このようなことが起こる可能性もゼロではありません。
今回は、いきなりキャンセルされたときにどうなるのか、そして管理会社はどうしたらいいのかを紹介していきます。

契約金を返してほしいとお願いされたら?
やっと契約までこぎつけ、間もなく契約開始だぞ!という時に、「やっぱりほかのところでいい部屋を見つけたので、契約結んでしまったんですがキャンセルさせてください」という連絡が入ってきたとします。人によっては、払った契約金の返金を求めてくることもあります。
契約キャンセルするのは入居者の都合ですし、キャンセル料払ってくれよ!と思う人も中にはいらっしゃるかもしれません。
実際に返金する必要があるのかないかは、契約キャンセルのタイミングによります。契約締結前であれば、返金する必要があり、締結後の場合は返金に応じなくても問題がない範囲があります。
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賃貸借契約の成立はいつ?
契約締結後か締結前化が判断基準になると言いましたが、そもそも契約成立はどの段階でしているものなのか見ていきましょう。
まず、賃貸借契約を結ぶフローは以下に続くものが一般的だと思います。
①入居申し込み
②審査・契約書の作成
③住めるように部屋の準備(清掃等)
④重要事項説明
⑤契約書に署名・捺印
⑥契約金の支払い
⑦鍵の受け渡し、入居
この間のどこで契約が締結しているのでしょうか。
民法上では、契約の成立は双方の合意が必要とされていて、この理論からすれば「借りたいです」「貸しますよ」という口約束だけでも契約の成立であるということができるのです。ですが、この合意は書面で残しておかなければ、その合意を証明するものがありませんよね。
合意して契約しましたよ、という覚書のような役割が契約書にはあり、それが必要になるというわけです。ただ、宅建業法では契約締結の前に宅地建物取引士による重要事項説明を行うことが必要であるとされています。そのため、重要事項説明をするまでは契約締結はされていないという意見もあります。
入居者からすれば、重要事項説明を受けないと契約を結ぶのに必要な情報を手に入れることは困難です。ですので、説明を受ける前に契約書に署名、捺印させる、といったフローを取る管理会社は少ないと思います。入居者は説明を受け納得し、同意して契約を結びましたという証明である契約書に署名と捺印をする行為を経て、契約成立だと認識しておけばいいのではないかと思います。
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返金しないといけないお金はある?
契約成立前の場合は全額返金しなくてはいけないことは先にも言いましたが、成立後に返金しなくてはいけないお金はあるのでしょうか。基本的には入居後の退去と同じでしょう。敷金は修繕等に使用した金額を差し引いて返金、礼金は返金の必要なし、家賃は住んでいなければ全額返金します。
保険料等は保険会社に任せているところも多くあると思いますが、返金等については、保険会社が定めたものに則ります。
違約金はもらえるのか?
賃貸借契約書に、「借主都合で、契約後1年以内に解約する場合は短期解約違約金として、賃料の1か月分を支払う」という記述があれば、請求額があからさまにおかしくなければ求めることが可能です。
まとめ
ここまで、直前の契約キャンセル時の対応方法についてご紹介しました。そもそも入居直前にキャンセルが起こらないように努めなければなりませんが、入居者が入居申込書の役割を甘く見ているところもあるかもしれません。
管理会社からすれば、入居申し込みがあれば募集を取りやめます。住むために部屋の掃除もしますので、一つ申し込みがあるだけでかなりの労力とコストがかかっているのです。
契約がキャンセルされれば、それらがすべて無駄になってしまい、管理会社からすると大打撃です。申し込みがあったら、スピード感を大切に手続きを進めていくことも大切ですが、対応が悪い等の理由で直前キャンセルされないよう、契約締結の時から、誠実な積極をしていってくださいね。
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