定期借家契約を有効に活用しましょう

なにがちがうの定期借家?

みなさんは定期借家契約という契約方法をご存知でしょうか?

2000年3月に定期建物賃貸借法が施行され、新しい賃貸借契約の形として生まれたこの契約ですが、まだまだ浸透しているとは言えないのが現状でしょう。

一般的な普通借家契約が全体の成約数の9割を超えているのに対して、定期借家契約での成約数は1割にも及んでいません。

定期借家契約と普通借家契約の違いはいったいなんなのでしょうか?


契約期間に制限を設けられる

たとえば普通借家契約を結んだ場合、契約期間の終了時に貸主や借主が何の行動も起こさなかったとしても、その契約は更新された扱いとなります。

入居者は引き続きその物件に住み続けることができるんです。

このように、契約上の期間というものはあれど、自動更新されていく点に目を向ければ、普通借家契約は制限のない無期限の契約であると言っても良いかもしれません。

一方で定期借家契約は、その名前からもわかるように“期間が定められた”契約となっています。

つまり、基本的にはその契約期間が満了となっても更新はされず、契約が終了になります。

入居者は契約期間満了時には退去しなければなりません。

もちろん貸主と借主の合意があれば、契約更新することが可能です。

借主が途中解約することは原則不可能

また定期借家契約の特徴として、入居者は通常中途解約することができないことが挙げられます。

定期借家契約で入居者が解約できる条件は、基本的には次の3つを満たす時のみとなっています。

①物件を居住用として使用している場合

②物件全体の床面積が200㎡未満の場合

③不測の事態が起き、使用し続けるのが困難となった場合

中でも3つ目の条件が重要です。

簡単に言うと、定期借家契約は入居者になにか非常事態が起きて住み続けられなくなった場合を除いて、基本的には解約できないものと定められているんです。

条件に当てはまらない借主が途中解約した場合には、契約違反扱いとすることもでき、残りの契約期間分の家賃を請求することが可能になる場合もあります。

もちろんこの3つの条件以外にも、解約について特約を定めることも可能です。

一般的には解約の申し入れを1ヶ月から2ヶ月前にすることを求めたり、急遽解約する場合の請求額を特約で定めているだけの普通借家契約の場合と比べて、とても家主有利な契約方法であると言って良いでしょう。

契約書が必須、契約書以外の書面と説明も必須

これまで見てきたように、大家がとても優位となる定期借家契約ですが、それゆえに貸す側も守らなければならないことがあります。

それは入居者に対して必ず契約書を用意することと契約書とは別の書類を交付して入念に説明を行なうことです。

一般的な普通借家契約とは違う定期借家契約では、ともすればオーナーと住人の間に認識のずれが起こってしまいます。

そのため、そのような齟齬が起きないように、また入居者に不当な契約を押し付けないために、契約期間や解約に関する決まりを入念に説明することが求められています。

余談ですが、普通借家契約自体は口頭で結ぶことも可能なんです。


定期借家契約をどう有効活用する?

さて、ここまで定期借家契約の特徴を見ていきました。

定期借家契約のポイントは、“短期間で確実に終わる”、“場合によっては更新することも可能”な契約だということです。

この特徴を生かすことで、大家にとって、そしてひいては入居者や管理会社にとってもメリットを生み出すことができるんです。

一定期間空けることになる物件を貸すことができる!

短期間の契約を結ぶことが可能な定期借家契約を使えば、一時的に空けることになってしまう所有物件を有効的に活用することができます。

具体的には、海外に出張をすることになり、その間、家を空けることになってしまうといった場合です。

普通借家契約では契約期間は2年が一般的で、1年以上設定することが求められます。

しかし定期借家契約を使えば、例えば半年間の契約を結ぶなどして、出張中に空き家となってしまう物件を有効活用することができます。

注意点としては、契約期間をしっかりと定めなければいけないことです。

出張から帰ってきたら契約終了、というような曖昧な設定ではなく、しっかりと「〇年〇月○○日までの〇ヶ月の契約」と設定しましょう。

試用期間として利用し、優良な入居者を選定できる!

また、定期借家契約の「貸主と借主の合意次第で更新可能である」という性質を利用することで、入居者の選定をすることが可能です。

つまり、まず短期間だけ住んでもらい、その期間内での入居者としての振る舞いが良いものであれば、引き続き更新の打診をし、悪ければそのまま契約を終了させるといったことが可能です。

優良な入居者の集まった環境を築くことができる

また、短い試用期間を設けることは入居者にとってもメリットがあります。

オーナー側が入居者を選定したように、入居者側も物件が本当に気に入るか、周辺の環境は悪くないか、管理会社の対応は適切かといった、住んでみなければ実際には分からない部分を知ることができます。

そして、このようにして大家と入居者がともに納得の上で契約を継続していけば、自然とその物件の環境もよくなっていきます。

そうすればその物件を管理する管理会社にとっても、クレームなどの負担が少ない優良な物件を管理できるというメリットにつながります。

このように、定期借家契約を有効的に活用することで、家主、住人、管理会社のそれぞれにとって喜ばしい好循環を生み出す可能性があるのです。

まとめ

定期借家契約は、その特徴をうまく利用することで、その物件に関わるすべての人が満足できる可能性を秘めた契約形態です。

しかし、まだまだポピュラーな契約方式とは言えないのが現状です。

今後、定期借家契約によって空き家問題が解決したり、大家・管理会社と入居者の最適なマッチングが促されたりといったことが考えられますので、引き続き注目し、ぜひ活用していきましょう。

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