行方不明の入居者…家賃や契約をどうする?

目次
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音信不通の入居者にどう対処する?

滞納続きの入居者。
電話をしても一向に出ない…
実際に部屋に見に行ってみると荷物はあるけど、もはやもぬけの殻…
そんな状況に陥った時、どう対応すればよいのでしょう?
まずは関係者に連絡する
入居者本人と連絡がとれない場合、まずは関係各所に連絡しましょう。
連帯保証人、緊急連絡先、入居者の家族など、入居者に繋がりそうな関係者に連絡を取ってみましょう。
入居者が行方不明となった場合は、このように連絡を取った結果、全てが解決するというケースは少ないですが…
入居者が不慮の事故で連絡がつかなかった場合も考えられますので、一度連絡するようにしましょう。
連帯保証人に滞納分の家賃を請求する
さて、関係者に連絡しても入居者の行方が分からなかった場合、滞納分の家賃をどう回収するか、という問題が起こります。
こちらについては、連帯保証人がいればその方に請求することになります。
滞納分の家賃すべてが確実に返ってくるとは限りませんが、少なくとも一部でも回収することは可能でしょう。
連帯保証人でも契約の解除はできない
滞納分の家賃と並んで問題なのが、現在契約中の賃貸借契約はどうすればよいのかということです。
こちらについては、連帯保証人の方にも契約を解消する権利はなく、代理で解除をすることもできません。
賃貸借契約は裁判を通じて解消し、強制的に家財を処分して建物を明け渡すといった流れになります。

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適切な部屋の明け渡しまでの流れは?
入居者が行方不明となった場合の最初の動きと前提知識についてはここまでで確認した鳥です!
次は、具体的に裁判を通じて部屋を明け渡すまでの流れを確認しましょう!
信頼関係の破壊を理由に訴訟を起こす
さて、度重なる家賃の滞納と連絡が取れないことを理由に、賃貸借人間での信頼関係を破壊されたとみなすことができるでしょう。
これを理由に訴訟の手続きを進めましょう。
しかし、行方知れずで連絡も取れない入居者に、督促や契約解除の意思を郵便などで示すのは不可能と言えるでしょう。
こういった場合、“訴状の送達をもって契約を解除する”といった文言を訴状に載せましょう。
訴状を裁判所に送り、あわせて公示送達を申し立てましょう。
公示送達を申し立てる
公示送達とは、相手方に書類が送付できない場合に、裁判所の掲示板に一定期間訴状を掲示することで、送達したのと同様の効力を発揮させることです。
訴状が入居者に送達されない限り、通常裁判を起こすことはできません。
しかし公示送達をすることで、入居者に送達したとみなすことができるのです。
公示送達を終え、訴訟の手続きを終え、裁判の結果、勝訴の判決が出たところで、判決に基づき強制的に建物の明け渡しを進めていけることになります。
裁判が終わるまでは立ち入り禁止!
さあ、いよいよ無事に一件落着しそうだからと、油断してはいけません。
裁判が終わるまでは、貸し部屋に入室しないように注意しましょう。
部屋を早く使用可能な状態にするために、現状を把握したい、入居者の家財をあらかじめ整理したい、といった気持ちは分かります。
しかし、契約解除前の部屋に立ち入ることは不法侵入とみなされてもおかしくありません。
滞りなく問題を解決するためにも、事前に部屋に立ち入ることのないようにしましょう。

まとめ
連絡のつかない、行方不明の入居者に対してどう対応するか確認してきました。
このような法律が絡む複雑な事態については、勝手な判断はせず、慎重に物事を進めることが重要です。
全体の流れをざっと頭に入れつつも、要所で法律に詳しい方に確認したり自分自身で調べたりして、誤って自分が不利な立場にならないように注意しながら対応しましょう!
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