【全賃連載】3種の動画でファンづくり
不動産DXで実現する「顧客ファースト」第8回
当社常務庭山が全国賃貸住宅新聞に寄稿している連載記事です。
提供元: 全国賃貸住宅新聞社
地域一番店を目指す動画戦略
「庭山さん、SNSやらなきゃだめ?」と聞かれることが増えた。答えは「いいえ」だ。SNSの必要性は会社によって異なる。
ただし地域一番店を目指すなら、すぐにでも取り組んでいただきたい。ポータルサイトもホームページもすでに群雄割拠、資本力の勝負になっている。次なる主戦場はSNSだ。ここで結果を出せるかが、勝負の分かれ目となる。そして、闇雲にやるのではなく戦略的に取り組むべきだ。
今回は画像コンテンツではなく、動画コンテンツの話をしよう。動画の有効な戦略の一つに「3H戦略」がある。グーグルがユーチューブの膨大なデータを分析して導き出した戦略だ。ヒーロー(HERO)、ハブ(HUB)、ヘルプ(HELP)の3つのコンテンツタイプを駆使し、顧客との長期的な関係構築を狙う。
ヒーローコンテンツから紹介しよう。「面白い」「かっこいい」「真似したい」など感情を揺さぶり、認知拡大の起爆剤になるショート動画だ。デザイナーズマンションや珍しい設備付き物件といった映像映えする物件があれば、それを最大限に魅せる動画を作成しよう。自社の物件に際立った特徴がなくても、ユニークな企画や魅力的な人物を前面に押し出すことで、ヒーローコンテンツは作れる。まずはティックトックで不動産系の投稿をとにかく見てみるといい。面白い投稿に出会ったら、そのアカウントが再生数を伸ばしている投稿をまずは真似してみるとコツを掴みやすい。
ヒーローコンテンツは、興味を持ってもらうための戦略だ。ここから顧客・ファンになってもらうためには、一歩踏み込んだコンテンツを用意する必要がある。それがハブコンテンツだ。
ハブコンテンツは潜在顧客との関係を深める役割を持つ。例えば、一つは内見動画。各部屋を詳細に紹介することで、視聴者が物件の実際の雰囲気やレイアウトを理解するのに役立つ。もう一つはリフォーム動画。リフォーム前後を比較することで、新しい魅力をどう加えたのかしっかりアピールできる。これらの長尺動画で、自社の強みや独自性を伝えて信頼してもらい、ファンになってもらうことを目的としている。
最後にヘルプコンテンツ。これは比較的簡単に作れる。退去時のトラブル回避法や、家賃保証の仕組みなど、顧客の疑問に答える動画を作成しよう。これらは再生数は少なくても、顧客満足度を高める重要な役割を果たす。
同じ物件でも、打ち出し方次第でヒーロー、ハブ、ヘルプ、全てのコンテンツが作れる。例えばドローンを使った斬新な外観紹介(ヒーロー)、丁寧な内見動画(ハブ)、内見時の注意点解説(ヘルプ)など、一つの物件から多様なコンテンツを生み出せる。
焦る必要はない。まずはユーザーとしてSNSを楽しむことから始め、他社の成功例を徹底的に研究しよう。同業種でバズっている投稿や、最近流行している動画のパターンを学ぶことで、自社の強みや可能性も見えてくる。
いえらぶGROUP 共同創業者・常務取締役 庭山健一
マンションデベロッパーでの経験を生かして、2008年にいえらぶGROUPを設立。不動産業務支援システム事業、受託開発事業など営業人を統率。14年に常務取締役に就任。
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