不動産開業までの流れと5つのポイント!リスクを抑えて成功に導くポイントを紹介!
目次
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不動産業界は参入障壁が低いことから、新規参入で開業を目指す方が多いです。とくに不動産業界で働いている方は、これまでのノウハウを活かして、独立を検討する方もいるのではないしょうか。
不動産の開業は、ただ『手続き』や『準備』を進めるだけでなく、開業した後の『集客方法』や『営業戦略』も併せて考えなければいけません。
今回は、不動産開業の魅力や開業までの流れだけでなく、スムーズに開業するために必要なことや開業後にリスクを防いで「開業を成功に導くポイント」を紹介していきます。
【不動産開業】3つの業務形態について知る
まずは不動産業界において、経営の主軸となる業務形態を確認しておきましょう。主な業態は「賃貸仲介業」「売買仲介業」「賃貸管理業」の3種類です。それぞれの特徴を表にまとめました。
業態 | 収益の特徴 | 傾向 | |
---|---|---|---|
賃貸仲介業 | 不動産所有者(貸主)と借主のマッチングさせる | 賃貸借契約が成立した際に仲介手数料を得る | 1件あたりの報酬は売買仲介に比べて少ない |
売買仲介業 | 売買物件の情報を仕入れ、物件を購入したい顧客に紹介する | 1件あたりの報酬が高額 | 成約までに多くの時間を要する |
賃貸管理業 | アパートやマンションなどの管理を行う | 家賃の5%程度の管理手数料を報酬として得る | 安定した収入を得られやすい |
この中でも、賃貸仲介業と賃貸管理業は、売買仲介業よりも安定する傾向があります。
そして、賃貸管理業は「ストック型ビジネスモデル」であり、管理業務の委託契約を締結することで、「サブスクリプション」のような定期収益が見込める点が特徴です。
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不動産の「開業・独立」をおすすめする理由
不動産業界では、開業や独立をする方は少なくありません。
それではなぜ不動産業界は「開業・独立」に魅力があるのでしょうか。この項目ではおすすめされる理由を2つ紹介します。
比較的少ない初期費用で始められるから
不動産業は、比較的少ない初期費用で始められる魅力があります。不動産開業にかかる初期費用は約400万円です。この金額は他業種で開業・独立する場合に比べると少ない額です。
さらに、不動産開業にあたり、事業用として使用する車両や事務所用の物件を所有していれば、初期費用を抑えることができます。つまり不動産業は他業種と比べると新規参入のハードルが低いビジネスなのです。
不動産開業にかかる費用について、詳しくは以下のページで解説していますので参考にしてください。 【不動産】仲介業の開業資金はいくら必要か。資金の準備と行うことを解説
高収入を期待できるから
不動産業は、高収入を期待できるのも魅力のひとつです。賃貸仲介業でも高い収入を得ることは可能ですが、とくに売買仲介の場合、取引1件当たりの報酬が大きい特徴があります。
売主と買主双方から手数料を授受できるケースもあり、受け取れる報酬全体が多くなるためです。
不動産売買の仲介手数料は3段階あり、200万円以下の金額に対しては5.5%、200万円以上、400万円以下に該当する金額に対しては4.4%となります。
ただし、400万円を超える金額に対しては3.3%の仲介手数料が上限となるため、上回らないように注意しなければなりません。
不動産売買の仲介手数料は、物件の金額に応じて3段階の計算を行うよりも「速算式」を用いて算出する方法が容易です。
速算式で手数料の上限を計算する場合、以下の計算式に当てはめて算出します。
不動産売買価格 | 仲介手数料(上限)の速算式 |
---|---|
200万円超400万円以下 | 金額×4%+2万円+消費税 |
400万円超 | 金額×3%+6万円+消費税 |
<計算例1>300万円の物件を売買仲介 |
---|
300万円×4%+2万円+消費税=15.4万円 |
<計算例2>5,000万円の物件を売買仲介 |
---|
5,000万円×3%+6万円+消費税=171.6万円 |
上記のような計算で算出した金額が仲介手数料の上限となります。
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メリットだけじゃない!リスクも考慮しよう
不動産業を始める際には、リスクに対する対策を講じておく必要があります。では、不動産開業には具体的にどのようなリスクや懸念点があるのでしょうか。
ここからは、不動産開業前に把握しておきたいリスクや対策方法について解説します。
開業しても集客できない…
不動産は開業したら終わりではなく、開業がスタートです。安定した売り上げを得るためにも集客に注力しましょう。
これまでは自社ブランドの恩恵を受けることが出来ましたが、特に新規参入で開業するとゼロから顧客とつながる施策を考えなければいけません。不動産を開業したものの、効果的な集客ができずに苦しむ方も多いです。
加えて、インターネットサービスの拡大は消費者の利便性が向上したことで、不動産業者は顧客とつながる機会が増えましたが、一方で消費者は手軽に物件情報を確認することができるようになりました。そのため物件情報は飽和状態に。これまでのように情報を発信するだけでは反響獲得が難しい状態です。
また、広く知れ渡っていた『チラシ』や『雑誌』を用いたオフライン集客も反響獲得につながりにくいでしょう。昨今ではホームページを活用したり、リスティング広告やSEO対策をしたりすることが集客手法として一般的になっています。
このようなオンライン施策を有効活用できれば、個人や小規模の不動産会社でもチャンスは広がります。
以下のページでは、難しいといわれている不動産業の打開策を紹介しています。ぜひ参考にしてください。 独立は難しい?不動産業の開業に必要な4つのポイント
競合他社に埋もれてしまう…
先述したとおり、不動産業は新規参入しやすいため、不動産業を営む個人オーナーや企業は多く、年間の開業件数も年々増加傾向です。
国土交通省の「令和2年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について」では、宅地建物取引業者の全事業者数は127,215業者で前年度比1.3%増となっており、7年連続で増加しています。
出典:国土交通省「令和2年度宅地建物取引業法の施行状況調査結果について」
とくに開業した当初は知名度が低いため、大手や地域密着の不動産会社に競り勝つことが難しいでしょう。開業前は会社のつながりから契約を獲得していたのに対し、開業後はゼロから人脈を構築する必要があります。
そのためにも、他社との差別化が必要です。まずは自社の強みや独自性を見つけましょう。たとえば、「単身赴任向けに特化した物件を多く取り扱っている」「大学近くの物件情報を取り入れて、新生活をサポートする」など、他社にない独自の強みを形成することが大切です。
ただし、自社の強みや独自性を形成しただけでは差別化とはいえません。顧客に認知してもらってこそ差別化が成功します。そのためには、自社ホームページで特色を紹介して、より多くの潜在顧客を増やしていくことが必要です。
不動産開業にともなう自社ホームページの重要性や、集客効果の高いホームページを作成するポイントについては、以下のページでも解説しています。ぜひ参考にしてください。 不動産開業時にホームページは重要?制作に必要な5つの要素を紹介!
【流れ】不動産を開業する際に必要なこと
不動産開業に向けて事前準備は大切です。ここからは開業までの流れと準備する際の注意点を紹介します。はじめに注意が必要なのは、宅建免許の取得が必要な業態があることです。
・該当するもの:仲介業(賃貸仲介、売買仲介)
・該当しないもの:賃貸管理
それでは、資格取得以外にはどのような準備が必要になるのでしょうか。準備や開業までの流れを解説します。
事務所を設置する
不動産開業時には、事務所となる物件の確保が必要です。事務所として使用する物件は、宅建業法上の要件を満たしているか確認しましょう。
また、通勤しやすい、来店客の目に留まりやすい場所にあるかなど、立地条件も確認しておくといいでしょう。
事務所を賃貸利用する場合、賃料が固定費として経費支出されます。事務所の設備を維持するためのコストなども考慮し、物件選びを慎重に行うことが大切です。
新たに事務所を準備せずに、自宅の一部を事務所として利用する方法もあります。開業時の事業規模や従業員の有無など、状況に合わせて検討しましょう。
不動産開業にあたって、宅建業法で定められている事務所に必要な要件については、以下のページで詳しく解説しています。 【不動産開業】事務所設置の必須要件とは?免許審査のチェックポイントを紹介!
法人設立
不動産開業にあたって、法人設立の手続きを進める必要があります。不動産業は法人ではなく個人事業主として開業することも可能ですが、法人は個人事業主と比べると社会的信用を得られやすくなるメリットがあります。
法人の場合、一定以上の事業規模になると財務状況の開示を行う必要があり、事業の透明性を確認しやすくなることが理由のひとつです。
法人化する場合は、以下の流れに沿って手続きを進めます。
1.商号、事業目的、役員、出資割合など会社の概要を決定する
2.会社のルールにあたる「定款」を作成し、公証人役場で認証を受ける
3.資本金を払い込み、金融機関で残高証明書を発行してもらう
4.登記申請書や議事録を作成し、資本金の払込証明書、役員の就任承諾書、定款などの必要書類を揃える
5.法務局に登記申請する
登記事項証明書の発行は、登記申請から約1~2週間程度必要になります。
専任の宅建士を設置する
宅建免許を申請する場合、事業所ごとに専任宅建士を設置する必要があります。従業員5人につき1人以上設置しなければならないため、雇用する際には専任宅建士の数に注意が必要です。
開業者自身が資格を取得するか、有資格者を雇用することで条件を満たすことができます。
不動産開業にあたって必要な資格について、詳しくは以下のページでも解説していますので参考にしてください。 不動産仲介業の開業には「宅地建物取引士」の資格が必要!その理由と他の活用可能な資格
営業保証金を供託する
宅建免許を取得したら、3ヶ月以内に「営業保証金」を供託しましょう。本店であれば1000万円、支店であれば1店舗 につき500万円必要です。
営業保証金は、宅建協会へ加入して弁済業務保証金の分担金を納付すれば免除されます。弁済業務保証金の分担金は、本店は60万円、支店は1店につき30万円納める必要があります。
そのほか、不動産開業に必要な準備や流れについては、以下のページで解説していますので併せて合わせて参考にしてください。 【不動産開業】資金調達から必要な手続き、開業までの流れを解説
集客方法の確立
先述したとおり、開業後に自社を知ってもらうためには、集客方法の確立が欠かせません。集客方法次第では、独立開業の明暗が分かれることになるため、対策しておく必要があります。
競合他社との差別化を図りながら、自社のターゲットとなる層に的確にアピールできる媒体を用いるとよいでしょう。
オフライン、オンラインの集客媒体をターゲット層に合わせて使い分けながら、活用するのも効果的です。
また、成果を引き出すためには、集客効果の測定を常に行い、分析を繰り返しながら傾向と対策を検討する必要があります。消費者需要や流行は変化し続けており、いち早く対応しなければ、継続して収益を上げ続けることが難しいためです。
営業活動が上手くいっている場合でも、実力を過信しないように注意して、客観的な視点で分析しながら現況の改善点を探しましょう。
客観的な視点で現状を分析することを意識しながら、自社の強みはなにか、ターゲット層に訴求できるのはどのような集客媒体かを見極める必要があります。
不動産開業にあたって重要な集客のポイントについては、以下のページでも詳しく解説していますので参考にしてください。 不動産会社の開業後は集客方法を策定すべき!時代に合ったオンライン集客を紹介!
不動産開業を成功させるためのポイント
不動産業を開業後、早い段階で軌道に乗せるためには、押さえておきたいポイントがあります。では、不動産開業を成功させるには、具体的にどのようなポイントを意識して開業準備に着手すればよいのでしょうか。
ここからは、不動産開業に向けて準備を始める際に知っておきたい、スムーズに経営を軌道に乗せるためのポイントや注意点について解説します。
開業する地域にこだわる
不動産開業時には、開業する地域が重要です。開業する地域によって同業他社の数が異なっているため、事前にどのような競合相手がいるかをリサーチしておくとよいでしょう。
自社の強みを活かして営業していけるか、競合相手に対してどのように差別化できるか、分析することが大切です。また、競合相手のリサーチだけでなく、不動産需要も開業前のチェック項目に加えておきましょう。
需要を見極めるには、現在の人口や住んでいる人の傾向(ファミリー、単身者、オフィスビルが多いなど)のほか、今後の開発予定などもリサーチしておくと有益な情報が得られます。
自社の経営方針にマッチする地域かを見極めたうえで、不動産開業する地域を選定することが成功を左右するポイントのひとつです。
フランチャイズの加盟を検討する
フランチャイズ加盟を検討するのも、開業後にスムーズに経営を軌道に乗せる方法のひとつです。企業の看板を借りて営業できるため、一定数の売上を見込むことができます。そのため店舗と顧客双方にとって安心感があります。
知名度が高ければ営業もしやすくなり、個人で開業するのと比べて集客に苦戦する心配もありません。
そのほか、フランチャイズに加盟するとマナーや営業に関する研修を受けられるため、大手のノウハウを学べるメリットもあります。
さらに、加盟店の経営者同士が研修で顔を合わせる機会があるため、人脈が広がることで情報収集もスムーズになるでしょう。ただし、フランチャイズの加盟はデメリットもあります。経営者個人のアイデアを制限する必要があり、加盟店の経営方針に従わなくてはなりません。自由な発想を経営に取り入れたい方はストレスを感じてしまうでしょう。
また、フランチャイズのパッケージを利用できる代わりに、毎月ロイヤリティを支払う必要があります。このようなデメリットも存在することを考慮してフランチャイズの加盟を判断しましょう。
フランチャイズ加盟について、詳しくは以下のページでも解説しています。独立開業とフランチャイズのメリット、デメリットについて比較検討したい方はぜひ参考にしてください。 【独立】不動産フランチャイズは稼げる?メリットデメリット・失敗を防ぐ事前準備を紹介
業務支援システムの導入を検討する
開業後、少人数で業務を遂行する場合は、顧客とコミュニケーションを取りながら、多岐におよぶタスクを実行しなければいけません。たとえば、下記のような業務が考えられます。
・物件情報の整理
・顧客情報の整理
・ポータルサイトの更新
・自社ホームページの更新
・WEB広告の出稿
これらを円滑に遂行するためにも、業務支援システムの導入を検討しましょう。開業前の段階から効率的な業務フローを確立しておけば、スムーズに営業活動に注力できます。
とはいえ、業務支援システムは数多くあります。おすすめは「サポート体制」と「機能の充実性」で選ぶことです。
業務支援システムは『顧客管理』『広告出稿管理』と用途に分けられたものが多く存在します。「開業時はコストを抑えたい」と考える方は導入するシステムをひとつに絞ることをおすすめします。
業務に必要な機能がまとまっている「いえらぶCLOUD」は、自社ホームページの制作から運用、ポータルサイト連動機能だけに限らず、反響の分析機能、顧客情報の管理まで幅広く対応しています。
また、専門スタッフが不動産会社様の声をヒアリングして、毎週システムアップデートを実施しています。加えて、専門スタッフからコンサルティングを受けることが可能です。開業して間もない時期は、経営戦略が定まらないことも多いでしょう。その際は専門スタッフがサポートします。
不動産開業時には、業務支援システム「いえらぶCLOUD」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
不動産業の開業・独立はメリットが多いですが、集客がしにくいリスクも把握して対策する必要があります。自社の強み、独自性を分析して経営戦略を固めておきましょう。
開業して間もない時期は、多忙な状況が続くことが予想されるため、業務の仕組みを作ったり業務支援システムの導入を検討したりしましょう。
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