マンション管理適正化法とは?施行の背景や改正内容について解説
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分譲マンションの増加や、既存物件の老朽化、住民の高齢化に対応するために施行されたのが「マンション管理適正化法」です。
このマンション管理適正化法が、マンション管理の近い将来を表していると言って良いでしょう。
そこで今回は、マンション管理適正化法とはどのような法律か、施行の背景や改正内容について解説します。マンション管理に従事される方は、ぜひ最後までお読みください。
マンション管理適正化法とは?
まず、マンション管理適正化法とはどのような法律なのでしょうか?
マンション管理適正化法とは?
マンション管理適正化法とは、平成13年8月に施行された、まだ歴史の新しい法律で、正式には「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」といいます。
マンションの建設によって都市部の居住用不動産の空間効率を上げていく必要性から、マンション居住者の良好な住環境の確保が、法律の核となる目的です。
また、目的として既存のマンションの老朽化、居住者の高齢化にともなって、後述のようなマンション管理体制の不足点を対策する必要性が増してきたことも挙げられます。
また、管理組合が気軽に相談の可能な対象が必要となってきたことも、この法律の成立の目的です。
マンション管理士の資格を生んだ法律
マンション管理適正化法の交付とともに、マンション管理士の資格が設けられました。
マンション管理士とは、管理組合の管理業務などの運営をサポートする専門家となる国家資格です。
マンション管理士は分譲マンションの管理組合や、それを構成する区分所有者全体の管理に対する意識を高めるサポートをおこなうという位置づけで仕事をします。
また同時に、区分所有者間のトラブルの相談に乗ったり、管理組合サイドからマンション管理会社の仕事内容のチェックをおこないます。マンション管理士とは?取得のメリットや仕事内容について解説
マンション管理適正化法の内容
マンション管理適正化法の内容をかいつまんで挙げると、以下のようになります。
・国や地方公共団体は、管理組合等の求めに応じ、必要な情報及び資料の提供その他の措置を講ずる
・マンション管理士を創設し、管理組合のサポート体制を作る
・マンション管理会社の業務に一定の要件や規制を設ける
・マンションの区分所有者と管理組合に、管理の主体としての役割を規定した。
これまで特段の規制のなかったマンション管理会社は、ちょうど宅地建物取引業法による宅建業者への法規とよく似た形の規制を受けることとなりました。
そして、これらのマンション管理適正化法の内容は、今まで起きていたマンション管理上の問題点を背景にしています。
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マンション管理適正化法の施行の背景
マンション管理適正化法の施行の背景には、どのような問題点があったのでしょうか?
区分所有者、管理組合の管理意識の低さ
管理の当事者であるはずの区分所有者と管理組合の管理意識が低いために、問題が生じているケースがありました。
適切な時期に直すべき部分を直さないことで、建物のいたみが進行し、資産価値を下げてしまうことがありました。
建物の老朽化の進行は、資産価値だけでなく、近隣住民の安全や利益に影響を与えるため、放置できない問題となっていました。
区分所有者の管理意識の低さは、マンション内での住まい方に影響し、住民の間でのトラブルを増やす原因ともなりました。
築年数が新しい物件では、不特定多数の他人同士が、同じ区分所有建物に暮らすという意識が薄くとも、やっていける部分があります。
しかし、築年数が経過するにしたがって、多数の問題点が浮き彫りになる傾向にある点も、見逃せません。
区分所有者、管理組合の知識不足
マンション管理に関する知識は専門性も高く、簡単に体系的に理解するのが難しいため、区分所有者や管理組合の方たちが勉強するのが困難でした。
その状況で専門的な問題は管理会社に依存してきたのですが、そのために問題意識も高まらないという状態になっていました。
管理組合サイドに立ってアドバイスやサポートをおこなうマンション管理士の新設によって、知識の問題が解決されるマンションが徐々に増えていくことが期待されます。
管理組合と管理会社の間での、会計の取り決めがなかった
管理費や修繕積立金を預かっていたマンション管理会社と、管理組合との間で、お金の使いみちの決定や、管理方法について明確な規定がありませんでした。
そのため、場当たり的な傾向の修繕計画となったり、マンション管理会社の倒産によって、預けた管理費や修繕積立金が戻ってこないなどの事態が起きていました。
また、管理上の問題が起きた都度に、管理会社に問い合わせても、管理会社も明確な回答ができないことがありました。
これは、どこまでがマンション管理会社の仕事であるかの線引きもあいまいだったことから生じていました。
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マンション管理適正化法の改正は?
マンション管理適正化法はどのように改正され、どのような影響があるのでしょうか?
マンション管理適正化法の改正内容
マンション管理適正化法は、令和2年に、部分的に改正されました。
注目する部分は、建物の老朽化で、外壁の剥離やバリアフリーへの非対応要素を、取り壊しや建て替えの要因として追加したことです。
そのほかに、自治体が必要に応じて管理組合に対する指導、助言を実施し、管理組合作成の管理計画を認定するなど、自治体とのつながりを強化しています。
2030年には築40年を超えたマンションが200万戸に達し、比例して区分所有者の高齢化も進行します。
この点に対する対策が急務であることが、改正の要因となりました。
管理計画認定制度とは?
管理計画認定制度は前述のように、自治体がマンション管理組合の管理意識を高めるよう、指導していくために設けられた制度です。
令和4年4月より開始し、適切な管理計画を有するマンションを認定し、購入者のフラット35の融資や、共用部分の改修の際の融資の金利が優遇されています。
今後この認定を受けたマンションは、金利の優遇だけでなく税制上の優遇などもあると言われており、さらに、資産価値も上昇が見込めると予想されます。
高齢の方が中心になって運営する管理組合のモチベーションを上げることは簡単ではないですが、マンション管理士や不動産会社のサポートも求められるでしょう。
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まとめ
マンション管理適正化法とはどのような法律か、施行の背景や改正内容について解説しました。
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