不動産会社設立の流れと必要な費用!補助金や設立後のポイントも解説!
目次
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新たに不動産会社を設立したいと志した方は、「こんなお店にしたい」「こんなサービスをしたい」「このくらい稼ぎたい」など、夢がふくらみますね。
ただ、実際に不動産会社を設立するにあたっては、細かい手続きや、満たさなければならない基準をクリアしていく必要があります。
今回は、不動産会社を設立するにあたっての準備から必要な手続きまで、始め方の流れをご案内します。
会社設立手続きのおおまかな流れ
不動産会社を設立するためには、いくつかのステップがあります。以下は、その流れを大まかに説明したものです。
1.事業の計画を立てる
2.開業に必要な資金を用意
3.宅地建物取引士を設置
4.事務所を設置する
5.定款作成・公証役場で認証
6.保証協会への加入
7.登記完了後、開業に向けての届け出など
不動産会社を設立するための準備と資金計画
まず設立準備と資金確保では不動産業を始めるにあたって、「どのような事業を行うのか」といった、事業企画を行います。
経営形態と業態の検討
経営形態は法人か個人事業の、どちらで事業を開始するかです。
法人設立のメリットは、金額の大きい取引を行う際の信用度の向上、節税などがあり、不動産業の場合、設立当初から法人にしたほうがメリットが大きいと言われています。不動産会社の業態は、設立時では主に不動産仲介を含む宅地建物取引業か、物件オーナーとして賃料収入を得る不動産賃貸業などが挙げられます。このほか賃貸物件の管理を行う賃貸管理業、街の開発にも関与するディベロッパー、不動産賃貸業の内容を拡大した不動産投資などがあります。
今回は不動産仲介を含む宅地建物取引業の始め方についてご案内をします。
自社の強みや路線の企画、取り扱い物件
次に、注力するエリアや自社の強み、事業路線、取り扱う物件の種別など会社の独自性について検討をします。
当然のことですが、設立時には会社の名前も、その事業の特徴も、何も知られていない状況からのスタートとなります。決定したエリア内で、他社との差別化をはかるべく「売却、住み替え専業」「単身者向けの賃貸中心」などの事業路線、「サラリーマン大家さんのサポート」など独自の強みを決めます。
次に、注力する物件の仕入れルートや人脈を形成していくことになります。
不動産会社の特性として、同業の会社が協力しながら仕事をすることが多いため、新規の参入障壁が低いかわりに、人脈がなければ、経営を安定させることが難しい側面があります。人脈を築くことのメリットは、顧客や物件の融通以外にも、業界、行政その他、人に関する情報交換と広範囲ですので、設立当初は人脈開拓も大いに意識しましょう。
設立に必要な資金と融資
不動産会社の設立に要する資金は以下の値が平均的だと言われています。
・事務所開設費用 約300万円
・法人設立費用 約24万円
・保証協会の入会費 130万~180万円
・営業保証金 60万円
・宅建業者免許申請料 33,000円
・車両などその他諸経費 0円~200万円
車両や事務所にできる物件をもともと所有している場合は、初期費用を抑えることが可能です。各項目を細かく詰めて、何度かシミュレーションを行い、具体的な必要額を算出していきましょう。
不動産会社を始めるための事業資金融資額は銀行では担保か、業績によって判断されるため、そのどちらもない場合、日本政策金融公庫に相談をする例が多いです。希望の満額が融資になるとは限りませんが、申請に何が必要かは丁寧に教えてもらえますので、それに沿ってなるべく緻密な事業計画を作成の上、融資を申請しましょう。
以下の記事では仲介業における、より詳細な設立資金の内訳と融資による資金調達について解説しています。参考にして、競合他社に負けない力強いスタートダッシュを切りましょう。
不動産仲介業の独立開業に必要な資金はいくら?開業の手順も解説
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不動産会社を設立する際に重要な宅建士の設置と法人設立手続き
続いて、宅地建物取引業法で決められた業者免許のための宅建士、事務所の準備や法人設立手続きを行います。
宅地建物取引士の設置は必須
前述のように宅地建物取引業において不動産会社の設立をする場合は、事務所の人員5名につき宅地建物取引士(宅建士)1名の設置が必要となります。
宅建士の必置義務のほかに、宅建士しか行ってはならない、以下の独占業務があります。
・重要事項の説明
・重要事項説明書への記名・押印
・契約書(37条書面)への記名・押印
したがって、例えばお1人のみで設立する場合、経営者ご本人が宅建士の試験に合格し、資格を登録する必要があります。
不動産会社の設立には欠かせない宅地建物取引士については、以下の記事でも詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。
不動産仲介業に必須の資格「宅地建物取引士」とは?その他開業時に活用できる資格
事務所設置の要件
宅地建物取引の業務を行う事務所は、以下の要件を満たす必要があります。
・専用の出入口の設置(自宅などと共有不可)
・居住空間、他法人との空間分離
・宅地建物取引業者標識の掲示(免許受領後)
・受領してもよい報酬額の掲示
・取引に関する帳簿の備付け
・従業者名簿の備付け
これらの決まりは、取引の場所の状況を整えて、消費者保護を行うためのものです。
なるべく経費を浮かせ、職住接近で仕事に専念できるように、自宅を事務所にすることも可能になっています。
しかし、自宅に事務所を併設する場合などは、その構造について事前に相談のうえ、構造的に問題のないように準備をしましょう。
また、不動産会社の事務所設置における審査基準や、事務所の選び方については以下の記事を参考にしてください。
不動産業事務所の設置要件とは?開業時審査のチェックポイントを紹介!
法人の設立
法人形態の経営を行う場合、法人設立の手続きを行います。
法人設立の手続きには3週間前後の期間と、約20万円の費用が掛かります。法務局への登記が完了したら、代表者印や銀行印などの印鑑の作成、法人名義の銀行口座の開設、税務署や労働基準監督署、年金事務所などへの届け出を行います。
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定款の作成
定款とは、会社や法人の基本的な運営ルールや目的、組織、機関の構成などを定めた文書のことです。会社を設立する際に、最初に作成される重要な書類で、会社の「憲法」のような役割を果たします。
【記載事項】
・目的(どのような事業を行うかなど)
・商号(法人名)
・本店の所在地
・設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
・発起人の氏名又は名称及び住所
上記は、定款を作成するにあたって、絶対的記載事項になります。これらの事項が欠けていると、その定款は無効となり、会社の設立手続きも進められなくなってしまうので注意しましょう。
不動産会社を設立する際の審査や保証協会への加入
最後に宅地建物取引業免許の申請、保証協会への加入を経て、手続きは完了となります。
宅地建物取引業免許の申請
免許取得のための申請の流れは、下記のようになります。
1.申請書類の作成
2.各都道府県知事・国土交通大臣へ申請
3.審査(欠格事由・事務所要件など)
4.免許の通知
前述の宅建士の設置、事務所の準備に加え、役員や支店長などが欠格事由に該当しないかを確認されます。
審査が完了し、問題がなければ免許通知を受け取ることができます。
保証協会への加入
営業保証金の供託、もしくは保証協会加入による弁済業務保証金の供託を行うのですが、法務局に供託する営業保証金は1,000万円と高額です。
そこで、保証協会へ加入し、「弁済業務分担金」の供託をすれば、60万円で済むことから、ほとんどの業者が、設立時は保証協会へ加入する流れとなります。
保証協会は不動産保証業務も兼ねており、「全日本不動産保証協会」「全国宅地建物取引業保証協会」のどちらかに加入します。
2つの保証協会の違いは、以下の記事で詳しく解説しています。
参考にして、貴社に合った保証協会に加盟しましょう。
不動産の保証協会全宅?全日?ハトとウサギの違いはなんだ?基幹システムの決定と導入
近年不動産テックの導入が進み、集客などの業務支援と、社内業務の効率化、お客さまへのサービスのレベルアップをはかるための必需品となってきました。
経営者として「最初にひととおりの業務を経験しておきたい」という方も多いですが、設立前後の細かい業務の多さは相当なレベルです。設立当初から業務の効率化をはかり、集客にも注力して、いちはやく経営を軌道に乗せるために、会社の業務全体を担う基幹システムは不可欠なのです。
これから不動産会社を始められる方の選ぶ基幹システムとして、集客と業務の効率化を軸にして不動産の全業務をカバーするいえらぶCLOUDをおすすめします。オールインワンシステムで初期費用を抑えることができ、充実したサポート体制で、不動産テック戦略の相談パートナーとしても、お力になります。
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不動産会社の設立時に使える補助金・助成金
会社設立には不動産協会加盟の入会金や初期費用など、多額の資金が必要になります。負担を軽減するために、国や地方自治体が実施している補助金・助成金制度の利用を視野に入れましょう。ここからは不動産会社設立時に活用できる補助金・助成金制度を紹介していきます。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が取引先の新規開拓といった販路拡大を行う際にかかる費用の一部を国が補助する制度です。従業員が20人以下の法人、個人事業主が対象で、最大で200万円まで補助を受けられます。(※インボイス特例対象事業者は、上記金額に 50 万円の上乗せ)
しかし、新規開拓や販路拡大のために使用した費用のすべてが対象になるわけではありません。対象となるのは、以下の費用です。
・機械装置等費
・広報費
・ウェブサイト関連費・展示会等出店費
・旅費
・開発費
・資料購入費
・雑役務費
・設備処分費
・委託費
・外注費
・借料
なお、上記の費用に該当しても使用目的を特定できる状態でなければなりません。
※ウェブサイト関連費は、補助金交付申請額の4分の1が上限です。また、ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。
※令和6年度時点での補助額・補助対象費用となります。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、非正規雇用の従業員のキャリアアップを促すための制度です。キャリアアップ計画を立てたうえで、実際に待遇改善を実施した場合に支給されます。
会社設立時に多くの従業員を雇用するのは難しいのが実情です。まずはパートとして採用してから、正社員に登用したいと考えている経営者も少なくありません。そのような場合に活用できる制度です。
支給対象になる具体的な条件はコースによって異なり、2022年時点では次の7つのコースが設けられています。
・正社員化コース
・障害者正社員化コース
・賃金規定等改定コース
・賃金規定等共通化コース
・賞与・退職金制度導入コース
・社会保険適用時処遇改善コース(令和8年3月31日まで)
※令和6年時点で設定されているコースとなります。
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不動産会社を設立後に忘れず行うこと
不動産会社の設立後に必ず行わなければならない手続きがあります。ここからは、必要な手続きについて解説します。
税務署への手続きを忘れずに行う
法人の設立手続きとは別に、税務署にも法人設立届出書を提出しなければなりません。提出の期限は、会社設立の日(設立登記の日)から2カ月以内と定められているので注意しましょう。
用紙は国税庁のホームページでダウンロードできます。記載する項目と内容は次の表のとおりです。
届出先 | 提出先の税務署を記載します。 |
---|---|
事務所の所在地 | 法人の所在地として登記した住所を記載します。 |
納税地 | 法人の所在地として登記した住所を記載します。 |
法人名 | 法人の名称を記載します。 |
法人番号 | 登記手続きを行ったときに割り当てられた番号を記載します。 |
代表者名 | 法人の代表者の氏名を記載します。 |
設立年月日 | 登記手続きが完了した日付を記載します。 |
事業年度 | 事業年度の開始と終了の月日を記載します。 |
設立時の資本金 | 登記手続きの際に記載した資本金の金額を記載します。 |
消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始の日 | 設立時の資本金が1,000万円以上の場合には設立年月日を記載します。 1,000万円未満の場合には空欄で問題ありません。 |
事業の目的 | 定款に記載した事業目的を記載します。 |
支店・出張所・工場等 | なければ空欄で問題ありません。 |
設立の形態 | 該当するものを選択します。 |
事業開始の年月日 | 設立年月日と同じ日付を記載します。 |
「給与支払事務所等の開設届出書」提出の有無 | 給料の支払いが発生する場合には「有」を選択します。 |
関与税理士 | 税理士と顧問契約を締結している場合には、税理士の氏名を記載します。 顧問税理士がいなければ空欄で問題ありません。 |
添付書類等 | 該当するものを選択します。 |
青色申告承認申請書も併せて税務署に提出しましょう。青色申告を行えば、最大65万円の控除や損失の繰越など、税制上の優遇措置を受けられます。
契約書の作成を忘れずに行う
業務上の取引をする際には、不測の事態に備えて契約書を作成しなければなりません。契約書があればトラブルの回避にもつながります。
契約書の内容に不備や法的問題がないかをチェックするときは、行政書士や弁護士等の専門家に依頼すると安心です。また、その際に契約書のひな形を用意しておくと、契約ごとに一から契約書を作成する手間も省けます。
不動産会社を設立後に必要な契約書
不動産業を営む上では、主に次のような契約書が必要です。
契約書 | 詳細 |
---|---|
業務委託契約書 | 一部の業務を外部の業者に委託する際に使用します。 |
秘密保持契約書(NDA) | 委託先の業者が業務上得た情報を漏らさないという趣旨の契約です。 |
取引基本契約書 | 同じ外部業者に継続して業務委託をする際には、取引基本契約を締結します。 |
雇用契約書 | 従業員を雇い入れる際に使用するものです。主に労働条件などを記載します。 |
賃貸借契約書 | 不動産会社が顧客との取引で使用するものです。 |
不動産売買契約書 | 同上 |
まとめ
不動産会社の始め方について準備から会社設立、免許取得までの流れをご案内しました。
不動産業設立にあたって、煩雑な手続きと、意思決定の連続で骨が折れそうにもなりますが、弊社いえらぶGROUPではコンサルティングをはじめとする設立支援も行っております。気になる方はお気軽にお問い合わせください。
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