前入居者が解約を忘れた公共料金、支払い義務は誰にあるのか?
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ある日、前入居者から突然電話が入りました。「退去後も公共料金の請求が来ている、そっちで払ってくれ」。
事情を確認すると、どうやら解約時に公共料金の解約をするのを忘れていたとのこと。ですが、前入居者は自分が使っていない費用を払うのはおかしいと主張しています。
内見時に使用した電気代などは、通常はオーナーや管理会社が負担するのが一般的ですが、入居者が解約し忘れていた場合、支払いは誰が行うのでしょうか?また、こんなときに管理会社としてどのような対応を行うのが良いのでしょうか?
解約を忘れてしまった。そんなとき誰が支払いを行うのか?
契約上、支払い義務があるのは契約者本人
まず、契約の前提として、支払い義務があるのは契約者本人です。電力会社、水道会社、ガス会社も、利用料金を請求するのはその会社と契約している人になります。「誰が使用したか」は問題ではなく、「誰と契約しているか」が大事なのです。
退去をするときに契約を解約していなければ、各会社との契約者は前入居者のままです。つまり、支払い義務があるのは前入居者ということになります。
ですので、管理会社もオーナーも、前入居者に代わって料金を支払う義務はありません。内見時の電気代等を管理会社やオーナーが負担するのは、あくまで前入居者が適切に解約を行っていた場合です。
管理会社としてできることは何があるのか?
トラブルを避けるために管理会社が気をつけないといけないことは、ちゃんと入退去時に各種公共料金の会社と契約・解約を行うように促すことでしょう。
退去時の案内書の中にそのような文章を入れたり、退去立ち合い時に口頭でも確認を行ったりするなど、トラブルを未然に防ぐ責務として大事でしょう。
退去時に確認しないといけないチェックリストを作成してお渡しするのも、不要なトラブルも防げますし、良い管理会社だったと好印象を与えることにもつながるかもしれません。
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もし新しい入居者が住んでいた場合はどうなるのか?
退去後に新しい入居者がすぐに決まって、すでに入居していた場合、解約し忘れていた前入居者は見ず知らずの人の公共料金を支払っていることになります。
心情的にはかわいそうにはなりますが、やはり支払い義務があるのは契約者本人なので、前入居者が払う必要があります。
しかし、新しい入居者も、入居時に各種公共料金の会社に契約の連絡をちゃんとしていれば、前入居者が解約していないことに気づける場合もあります。もしかすると、ブレーカーを上げたら電気がついた、蛇口を回したら水が出た、ガスコンロの火が普通についた、ということで公共料金の会社に契約の連絡をしていない場合も考えられます。
新しい入居者に対しても、ちゃんと公共料金の契約を促すことは管理会社の責務であるといえるでしょう。
まとめ
忘れてしまうことは、人間誰でもあることです。
トラブルを未然に防ぐためにも、管理会社として退去時に公共料金をちゃんと解約したかどうかを確認することは大事です。
トラブルが起きた際も、支払い義務があるのは前入居者本人ですので毅然とした対応を取ることが大事ですが、ちゃんとご納得してもらえるように親身な対応を心がけていきましょう。
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