WEB2024.10.21

不動産業界でAIを活用する方法とは？AI導入のメリット・デメリットを解説

タグ：

近年、ChatGPTを始めとした生成AIが話題となっています。AIは膨大なデータから特徴を読み込み、分類することが可能です。ほかにも、画像認識や言語識別の能力を備えています。

不動産業界でもAIを活用した業務の効率化が実際に始まっており、不動産業界が大きく成長することが期待されています。AIの導入により、効率的な業務運営が可能となるだけでなく、人手不足の解消にもつながると考えられています。

そこで今回は、不動産業界でAIができることやメリット・デメリットを解説します。AIを利用して業務効率化をお考えの方は、ぜひお読みください。

▼集客・追客に必要なコンテンツ制作はAIにお任せ！
「不動産会社のAI活用法」を資料で確認する

不動産業界とAIとは？

AIとは？

AIとは「Artificial Intelligence」の略で、日本語では人工知能を意味します。

人工知能とは、コンピュータのソフトウェアを使い、人間のように「考えたり、判断したりする」動作を再現する技術のことです。人工知能は経験を積むことで精度と柔軟性が向上し、人間では処理しきれない膨大な情報を解析して、最適な答えを導き出せるようになります。

AIができること

現在AIでできるとされている代表的な作業は以下です。

・物、図形、人の認識、区別
・言葉、会話、文章を理解して作成する
・環境変化に対応した機械などの自動制御
・データの分析や、それをもとにした予測

仕事には、AIに代替されるもの、AIで得られた結果を修正するもの、人間にしかできないものの3種類があります。

不動産業界の顧客の変化

不動産業界でAI導入が進んでいる背景には、お客様のニーズがこれまでとは大きく変わってきたことが挙げられます。以前は、お客様が不動産会社を選ぶ基準は会社の歴史がある、地元密着、会社としての信頼度が高いことなどでした。

しかし現在は、お客様が重視するポイントが大きく変わり、「自分が選んだ物件に近い候補が多く揃っているか」「丁寧な対応をしてもらえるか」といった点が重要視されています。それにくわえて、自社ホームページの掲載内容の写真や文言が充実しているかが、物件選びの決め手となります。

つまり、インターネット上に掲載する物件情報をより充実させる必要がある一方で、すぐに人員を増やすことは難しいため、業務を効率的に進めることが求められます。

この業務負荷をカバーしてくれるのが、AIの技術です。

不動産会社のAI利用状況

いえらぶでは、不動産会社を対象に生成AIに関するアンケートを実施しました。

不動産会社の約6割が生成AIを「使いたい」と回答する一方、すでに「使えている」という回答は約1割となりました。意向に対して、まだ利用が追いついていないのが実態です。

▼AI利用状況に関するアンケート詳細はこちら
「住まい探しにおける生成AIの利用状況調査」（いえらぶ調べ）

不動産業務にAIを活用するメリットやデメリット

不動産会社がAIの導入を検討する際には、AIを活用するメリットを確認し、デメリットへの対応を考えておくことが必要です。ここでは、不動産業務でAIを活用する場合に考えられるメリットとデメリットを紹介します。

AIを活用するメリット

AIを活用するメリットをまとめると、次のようになります。

・不動産業務の効率化
・労働環境の改善
・顧客満足度の向上
・生成AIは初心者でも簡単に使える

AIを活用する最大のメリットは、不動産業務の効率化です。これまで担当者が行っていた作業を高精度かつ短時間で実行でき、サービスの質を均一化することが可能になります。また、データに基づく査定の補助が可能となり、残業の削減や労働環境の改善にもつながります。

さらに、経験の少ないスタッフでも一定のクオリティを保ちながら顧客対応ができ、顧客満足度の向上も期待できます。顧客にとっては、匿名で査定できるシステムにより、物件の比較が容易になり、購買行動が促進されるでしょう。

AIには他にも多くのメリットがあります。例えば、生成AIは誰でも簡単に使用できる点が大きな特徴になっています。複雑な操作や専門的な知識がなくても、テキストや画像、音声を簡単に生成できるため、初心者からプロまで幅広い人々が活用できます。クリエイティブな作業が手軽に行えるようになり、効率的に高品質なコンテンツを生み出すことが可能です。

▼集客・追客に必要なコンテンツ制作はAIにお任せ！
「不動産会社のAI活用法」を資料で確認する

AIを活用するデメリット

AIを活用した場合のデメリットも確認します。

・必要な人員数の増減による、人材の再配置
・AIソフトや機器を扱える人材の育成
・AIでは加味できない要素の存在
・生成AIの文章には誤りが含まれることがある

これまで人間が行ってきた業務をAIが代わりに行うため、人手が不要になる部署が発生します。その場合、新しい部署をつくるなどして、人材の再配置が必要となります。一方で、AIを利用したソフトや機器を扱える人材を育成したり、受け入れたりしなければなりません。AIを扱える社内環境を整えなければ、従来のやり方を変えられず効率化が進まないことも考えられます。

さらに、AIは物件査定や提案に役立ちますが、顧客が個々に感じる居心地や物件から受け取れる雰囲気など、数値化できない項目については対応できません。人にしかできない業務もあるため、AIとの役割の違いを明確化し、AIの苦手とする領域をカバーする必要があります。いえらぶCLOUDのオンライン内見はよい例です。いえらぶCLOUDでは、Web接客機能を活用し、AIにはできない、スタッフによる柔軟な対応を行うことが可能です。

オンライン内見については、以下の記事で詳しく解説しています。

不動産の内見が変わる！オンライン内見やVR内見の特徴やデメリットについて解説

生成AIの情報には不正確な部分が含まれることもあり、特に最新の市場動向や法改正に関しては対応が難しい場合があります。そのため、不動産業界ではAIが提供する情報を基にしつつ、人間が最新の内容を確認・修正することで、より信頼性の高いサービスを提供することが重要です。

AIは入力されたデータを活用して改善されていく仕組みです。入力したデータがどうなるのか、規約の確認は忘れないようにしてください。

不動産会社がAIを使ってできることは？

AIは、流れや手順が決まっている業務であれば、人間よりも速く正確にこなすことができます。

では、具体的にどのような業務を代用できるのでしょうか。ここでは不動産会社がAIを使ってできることを4つ紹介します。

顧客データ管理の自動化

従来、顧客データの管理方法は、顧客に記入してもらった紙の情報をPCで入力する必要がありました。

AIを活用すれば、紙情報を読み取ってデータ化したり、顧客情報を一括管理・共有することができます。またAIは膨大なデータをスピーディーに分析できるため、顧客情報をもとに顧客の属性を分類したり、物件案内など次のステップへスムーズに移行したりできます。

物件提案の最適化

物件を案内する際には、担当者が顧客情報と物件情報を照合して、一つひとつ顧客に説明し、要望に合うまで繰り返す必要があります。ヒアリングが不十分な場合、提案を最初からやり直さなければならないこともあり、時間と手間がかかります。

しかし、AIであれば顧客の趣味趣向、顧客対応のデータを蓄積して活用するため、迅速かつ綿密な提案が可能です。顧客の求める条件を検討しながら、最適な物件提案やフォローを自動的に行うことができます。

不動産価格や賃料の査定

不動産価格や賃料の査定では、公示価格や類似・近隣不動産の取引価格、周辺環境などをもとに価格を決定します。価格設定を誤れば、成約に至らないため、その後の価格調整も必要です。

AIは膨大な情報をもとに、短時間で初期費用や賃料を導き出せるので、業務工数を大幅に削減できます。機械学習にエリアや変動する価格相場に関する情報を入力することで、簡単に売却額を算出します。さらにお客様の事情や希望を加味して、売り出し価格を設定すれば良いだけとなるのです。

ただし、AIによる査定の精度を向上させるために、物件のデータをできるだけ多く入力してAIに学習させることが必要です。そのため各サービスは情報源を工夫して運用されています。国土交通省も、情報項目を増やして共有の汎用性も高めた新世代のレインズの構想や社会実験を開始しています。

空室などのリスク回避

不動産会社は、賃貸物件に入居者が現れない原因を突き止め、改善しなければなりません。

空室対策においては、周辺物件の設備や築年数、間取りなどからAIが適正な設備投資やリフォームを提案します。ビッグデータに基づく精度の高い予測を見込め、AIを活用したデータ分析やシミュレーションはリスク回避に役立つでしょう。

生成AIによるテキストの自動作成

最近話題のChatGPTやCopilot を想像したときに、まず出てくるのがテキストの作成ではないでしょうか。一定の条件を入れれば会話形式で返事が返ってくるため、物件コメントやお客様への案内文などを簡単に作成することが可能です。そのまま使うのは難しいかもしれませんが、素案として作成したものを編集するだけで、かなりの効率化が図れるはずです。前述のChatGPTやCopilot など無料で使えるツールも増えているので、生成AIに興味がある場合はまずここから試してみるのがいいでしょう。

また、生成AIを活用したテキスト作成は、ブログ記事の作成にも役立ちます。SEO対策を意識してキーワードを効果的に挿入したり、構成を工夫することで、ウェブサイトの検索順位を上げることも可能です。

単純作業の自動化・効率化

物件や顧客データ入力などの単純作業や、そこから一歩踏み込んだ文章の作成、画像の選択、図面の出力などの業務は、AIのサポートで大幅な時間短縮が可能です。

広告表現のチェックも、最新の各種法規を学習したAIが、問題箇所を抽出します。

一例として、インターネットで公開する物件の画像カテゴリ情報の登録の自動化をご紹介します。 画像カテゴリは検索エンジン対策にも大きな意味を持つ大事な項目なのですが、カテゴリを入力する作業は、多数の件数をこなす必要がある際は、どうしても後回しにされがちです。

いえらぶCLOUDのらくらく画像AI判定ロボは、カテゴリ未登録の物件を自動抽出のうえ、画像の内容から自動でカテゴリを判定して登録し、作業時間を90%短縮します。

このほか、顔認証や、文章の自動作成、自動校正などの機能が、単純作業の大幅な負担軽減を実現します。

▼集客・追客に必要なコンテンツ制作はAIにお任せ！
「不動産会社のAI活用法」を資料で確認する

AIを活用した不動産の業務支援システム

実際にAIを使った業務支援システムを紹介します。AIだけでなく、AIとRPAを組み合わせたシステムも提供されています。

それでは、どのような業務支援システムがあるか、確認していきましょう。

Gate.

Gate.はAIを搭載した不動産業務システムで、ビッグデータを活用して高精度な賃料予測や価格査定などを行います。AIにより、将来の空室リスクや賃料の下落、利回りの分析も可能です。

スピードAI査定

スピードAI査定とは、簡単な登録だけで全国のマンション・一戸建て・土地を即座に無料査定できるサービスです。査定から登録までネットで完結し、最新の査定価格や周辺相場、売出事例などの詳細な情報は、Myページやメールで確認することができます。

いえらぶCLOUD

いえらぶCLOUDでは、AIの機能を使ったシステムを提供しています。

ChatGPT-4oを活用した「AIコンテンツ生成」機能では、ワンクリックで不動産ブログを自動作成することが可能です。4,000を超える不動産サイトの制作実績と、10万件以上のブログ記事作成経験をもとに、最適化された記事を生成します。約2分で3,000文字以上のブログ記事を作成できるため、業務効率化にも大きく貢献します。

また、作成したい記事に合うキーワードを候補から選ぶだけで、SEO対策されたブログ記事を自動で作成することも可能です。自社ホームページに記事コンテンツを増やしていくことで、エンドユーザーに見つけてもらいやすくなりWeb集客の強化につながります。

いえらぶCLOUDではほかにも、不動産の定型業務を自動化する「RPAらくらくロボシリーズ」やRPAとAIを組み合わせた「らくらく画像AI判定ロボ」などのシステムも提供しています。

AIの導入目的が、業務効率化やデータ分析なのであれば、いえらぶCLOUDで十分代用可能です。初めての人でも活用しやすいよう、サポート体制も充実しています。

▼集客・追客に必要なコンテンツ制作はAIにお任せ！
「不動産会社のAI活用法」を資料で確認する