日管協ゲストセミナー「賃貸住宅管理業法を踏まえた不動産DXの最前線」レポート
2023年3月23日、「賃貸住宅管理業法を踏まえた不動産DXの最前線」をテーマに、公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会(以下「日管協」) 事務局次長 飯島繁樹氏と当社常務取締役 庭山健一が登壇するセミナーを行いました。
セミナー直前の3月10日には、国土交通省から賃貸住宅管理業者及び特定転貸事業者に対する初の監督処分(15日間の業務停止命令など)が発表されています。不動産業界全体で管理業法への対応が話題になっており、当セミナーには注目が集まりました。
90分にわたるセミナーでは、日管協の国土交通省担当飯島氏から「今、必要な対応と今後の法改正」、当社庭山から「法対応の手間をなくす不動産DX」についてお話ししました。後半には質疑応答も活発に行われ、有意義なセミナーとなりました。
本記事では、当日の要点を振り返りながら、セミナー内容をレポートします。
ページ最後のフォームから回答いただくと、セミナーの動画全編をご視聴いただけます。
登壇者
公益財団法人 日本賃貸住宅管理協会 事務局次長 飯島繁樹 氏
2006年銀行勤務を経て、日管協入局以降16年間一貫して、国土交通省、法務省、厚労省等中央官庁担当業務を担い、現在に至る。今回の賃貸住宅管理業法については検討委員を務め、法案原案時より関わった。
株式会社いえらぶGROUP 常務取締役 庭山健一
マンションデベロッパーの勤務経験を活かして、代表・岩名とともにいえらぶを立ち上げる。創業から現在に至るまで、代表の右腕として営業組織を牽引。商品企画にも総合的に関わり、いえらぶの事業戦略や経営戦略を担う。
今、必要な対応と今後の法改正:日管協 飯島氏
飯島氏からは、賃貸管理業者が守るべきルール、そして国交省による初の監督処分、管理会社の実情、管理業法の現在についてお話がありました。
立ち入り検査で分かった管理会社の困りごと
このたびの管理業法への対応について、日管協会員の管理会社から疑問が寄せられた項目と回答を紹介していきます。
①業務管理者の配置について
業務管理者は1名配置すればよいのではなく「適正な人数の配置」が重要。
法律上は1事業所あたり1名で足りますが、業務量によっては複数名を配置すべき。
②重要事項説明について
必要な省令事項11個の記載が完璧ではない会社も散見される。
法改正によって、記載の必要性が変更され、対応が追いつかない管理会社も多い。
日管協のひな型など、法改正に対応したひな形の使用を推奨。
今すぐに重要事項説明書に記載漏れがないか点検を!
③帳簿(取引台帳)について
帳簿は年度ごとにまとめる必要がある。
委託者、管理業務内容など6つの必要項目を忘れずに。
④従業員証について
パート・アルバイトでも管理業にかかわる人は社員以外も従業員証が必要。
ルールに基づいて、正しく番号を発行する(年・月・従業員番号)
宅建業の登録証との合体は不可!
電話での重要事項説明が可能に?パブリックコメントによる管理業法の変更
管理業法に関するパブリックコメントを受けて、運用と解釈の変更がある予定です。
(パブリックコメント終了後、2023年3月末から4月施行と想定)
①契約変更時に電話での重要事項説明が可能に
所定の要件を満たしている場合、電話での重要事項説明が可能になる見込み。
IT重説ができない高齢のオーナーがいる、コロナ禍でオーナーが管理会社の訪問を嫌がる、という背景も。
②オーナーチェンジの重要事項説明が不要
相続などで契約内容が変わらない場合は、不要となる見込み。
ただし、管理委託契約の場合は「地位承継」の条文が必要。
法対応の手間をなくす不動産DX:いえらぶ 庭山
庭山からは、法整備や人手不足、テクノロジーの進歩など変化が続く不動産業界において、いえらぶGROUPが取り組んでいることを中心にお話ししました。
いえらぶと日管協
業法改正など行政の変化に向き合うために、日管協への加盟は重要な守り。
いえらぶGROUPも日管協に加盟し、自社の商品開発に反映させている。
ITはもちろん、さまざまな手段で業務をサポートしていく
法改正のたびに不動産業界の現場は忙殺されます。
いえらぶのシステムはSaaSなので法改正に対応したシステムのアップデートが可能。
各業界でBPOも進んでおり、不動産会社もすべての作業を自力で行う必要はありません。
いえらぶでは不動産特化のBPO「らくなげ」を通じて即戦力を提供しています。
▼人手不足・繁忙期の膨大な業務量で悩まれている方へ
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質疑応答
今後の法改正は頻繁に起きるのか、重要事項説明が完ぺきではない契約への対処、電話重説ができた背景など、多くの質問に飯島氏、庭山からお答えしました。質疑応答はセミナー動画内でご覧いただけます。
2022年6月に管理業法が施行され、2023年の年始より始まった国交省による立ち入り検査。法整備に最前線でかかわる日管協飯島様より「今、対応するべきこと」をお話しいただいた本セミナー、非常に勉強になりました。
日管協への加盟、詳しい情報を知りたい方はこちらからどうぞ。
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