違法行為?不動産ブローカーの実態と被害実例を紹介
目次
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不動産ブローカーは、主に取引成立のための斡旋を行う存在です。この行為の違法性を明確に把握していない方も少なくありません。
そこで本記事では、不動産ブローカーの実態と被害例、被害にあわないための対策について紹介します。
不動産ブローカーとは?業務の違法性について
日本でいう不動産ブローカーとは、どのような人や業者をいうのでしょうか。不動産ブローカーの特徴と違法性について紹介していきます。
不動産ブローカーとは無免許で不動産の仲介を行う者
ブローカーとは、売買の仲介をする人のことです。不動産ブローカーとは、取引成立のための斡旋などをする人のことを指します。
一般的に、日本において不動産ブローカーといわれるのは、宅地建物取引業の免許がない状態で不動産取引の仲介をして報酬を得る人のことです。
宅地建物取引業法第12条第1項では、免許を保有していない者の宅地建物取引業を禁止しており、業として対象の取引を行った場合は法律に抵触します。取引の範囲は、不動産の売買や交換、賃借の代理、賃借の媒介です。
参照:宅地建物取引業法(e-Gov)
対象の取引を行う場合は、国土交通大臣または都道府県知事の免許を受け、5年の有効期間満了までに免許更新を行う必要があります。
令和3年の最高裁の判例でも、宅地建物取引業者から名義を借りて取引を行った無免許者に、報酬を分配することは違法だと指摘されています。
なお、判例は宅地建物取引業者外部の無免許者が持ち込んだ案件への報酬に対するものであり、不動産会社や顧客に物件情報を紹介しただけで違法となるわけではありません。紹介後に仲介手数料などとして報酬を受け取った場合に違法となります。
物件の紹介者が社外の者で、無免許であることを知りながら取引を行った仲介業者も違法となる可能性がありますので注意が必要です。
不動産ブローカーの収入源
不動産ブローカーの収入源は、仲介手数料の一部です。物件の売主や買主から受け取る紹介料などの名目で、収入を得るケースがよく見られます。
「宅地建物取引業者が、宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」として、不動産売買や交換の媒介による報酬には上限が定められています。
・200万円以下の部分については5%+消費税
・200万円超400万円以下の部分については4%+消費税
・400万円超の部分については3%+消費税
※ただし、400万円以下の低廉な空き家等は上限18万円
つまり、400万円を超える物件の売買や交換を仲介するときは、物件価格×3%+6万円+消費税(※6万円は200万円まで、400万円までの消費税部分)が上限ということです。
たとえば、2,000万円の物件の売買仲介に入る場合、一者から受け取れる仲介手数料の上限は726,000円です。売主と買主の両者から受け取る場合は1,452,000円となります。
参照:宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額(国土交通省)
アメリカのブローカーとの違い
不動産ブローカーといっても、日本とアメリカではその意味が異なります。アメリカでは不動産ブローカーという資格があり、医師や弁護士に並ぶ3大資格に位置付けられています。
不動産ブローカーの資格は、アメリカで不動産会社や事務所を開業するための資格で、大学や専門学校の規定科目を修了した上ではじめて受験できる資格です。
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不動産ブローカー被害の実例
日本でいう不動産ブローカーは、不動産売買の斡旋などを無免許で行う者のことだと説明しました。
それでは、不動産ブローカーと取引した場合どのようなリスクがあるのでしょうか。不動産ブローカーの被害の例を3つ取り上げます。
手付金を騙し取る
不動産会社を経由して、売主に手付金を支払うケースは一般的に行われています。手付金を支払う背景には、物件の買取を希望している他の買主に先を越されたくないなどの理由があります。
この手付金を不動産ブローカー経由でやり取りする場合には注意が必要です。不動産ブローカーにお金を預けたものの、領収書や契約書をもらえず、ついには連絡が取れなくなってしまい手付金が戻ってこないという被害もあります。
コンサルティング料金の請求
何の相談もなく、不動産コンサルタントと名乗る不動産ブローカーに、コンサルティング料として料金を請求される被害もあります。
不動産のコンサルティングに関連した資格は存在します。そのひとつが「公認 不動産コンサルティングマスター」です。宅地建物取引士、不動産鑑定士、一級建築士のいずれかの国家資格登録者のみが受験できる資格で、不動産のプロフェッショナルとして認知されています。
参照:公認 不動産コンサルティングマスター(公益財団法人不動産流通推進センター)
一方、公認の不動産コンサルティングマスターではなくても、不動産コンサルタントは自称でも名乗れるものです。
怪しいときは、具体的にどのようなコンサルティングをしているのか、費用形態などの料金はどうなっているかも確認することをおすすめします。
被害を受けても保証されない
不動産会社が不動産業を営むには、宅地建物取引業者の免許を得るために保証協会に入る必要があります。保証協会は、不動産会社の倒産などがあったときに、会社の預かっているお金などを弁済してくれる団体です。
また、宅地建物取引業を営む不動産会社の多くは、会社が倒産した場合などに備えて損害保険に加入するのが一般的です。通常の不動産会社での取引であれば、トラブルがあっても保証を受けられる可能性があります。
しかし、不動産ブローカーとの取引は被害を受けたとしても保証がありません。基本的に、不動産ブローカーは保証協会や損害保険への加入をしていないためです。取引でトラブルが発生しても泣き寝入りになることがあります。
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不動産ブローカーの被害にあわないために注意すべきこと
不動産ブローカーとは知らずに取引をして被害にあうこともあります。不動産ブローカーによる被害を避けるにはどうすれば良いか2つのポイントを見ていきましょう。
宅地建物取引業者名簿を確認する
不動産ブローカーが介入した取引は違法な可能性があるだけでなく、手付金を騙し取られるなどのリスクもあります。被害にあわないためにも、正規の宅地建物取引業者と取引することが大切です。
宅地建物取引業者の登録があるかどうかは、各都道府県庁の宅地建物取引業者名簿で確認できます。登録だけでなく過去の行政処分の記録などもわかるため、過去に違法な行為をしていないかも確認しておきましょう。
また、宅地建物取引業者の登録があるだけでなく、対応がしっかりしている業者を選択することも重要です。
情報を鵜呑みにしない
不動産ブローカーは、地元の不動産業者のほか、住宅メーカーやデベロッパー、多数の資産を持つ地主、地元選出の議員、弁護士など、さまざまな人脈を駆使して物件情報を取得しています。
ただし、仕入れてくる情報の価値や種類は不動産ブローカーのスキルや人脈によるのも事実です。仮に不動産ブローカーから有益な情報を教えられても、鵜呑みにしないようにしましょう。なかには、買い手がつかないような物件情報を良い物件と偽る不動産ブローカーもいます。
まとめ
日本では一般的に、無免許で宅地建物取引業を行う人を不動産ブローカーといいます。
不動産ブローカーによる被害にあわないためにも、宅地建物取引業名簿に登録された正規の不動産会社と取引するようにしましょう。
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