家賃債務保証業者とは?登録制度や選び方について解説!
目次
賃貸借契約において保証人の代わりをする家賃債務保証業者は、25年の歴史があります。当初は連帯保証人を作るのが難しかった人だけが家賃債務保証業者を利用していました。
しかし現在は少子高齢化や国際化といった社会情勢もあり、多くの入居者にとって家賃債務保証業者が重要なものとなっています。
また、不動産・管理会社にとっては、家賃債務保証業者を利用することで便利な部分も多く、安定した賃貸経営を目指す上で欠かせないものとなっています。
今回は、以下3つについてご紹介します。
・家賃債務保証業者とはそもそもどんなものなのか?
・家賃債務保証業者の業務内容とメリット・料金比較
・家賃債務保証業者の選び方と注意点
賃貸経営に関わる方はぜひ参考にしてください。
家賃債務保証業者とは?
家賃債務保証業者は一般的に「保証会社」と呼ばれています。家賃債務保証業者は入居者が家賃滞納した際に、保証人の立場で賃貸人(不動産・管理会社)に家賃の立替払いを行っています。
入居希望者にとっては連帯保証人がいなくても物件に入居でき、賃貸人にとっては入居者が家賃滞納しても安定してお金が入ってきます。
家賃債務保証業者の仕組み
家賃債務保証業者が家賃の立替えをするのには、「代位弁済型」と「収納代行型」の2つの仕組みがあります。代位弁済型
代位弁済というのは、賃貸人から家賃未納の連絡を受けてから未納分を立替払いする仕組みです。基本的に家賃の回収・入金確認は賃貸人が自ら行います。
未納分の家賃に関しては、家賃債務保証業者から入居者に督促を行います。
収納代行型
収納代行型というのは、家賃の回収・入金確認を家賃債務保証業者が請け負い、入居者からの支払いの有無に関わらず賃貸人に家賃を送る仕組みです。賃貸人は家賃に関して入居者とやり取りする手間が一切ありません。
もちろん、未納のある入居者に対する督促も家賃債務保証業者から行います。
家賃債務保証業者の歴史と現在
家賃債務保証業者が登場するまでは、外国人、キャバクラ等の水商売で働いている人、生活保護の人は賃貸物件をなかなか借りる事ができませんでした。理由は連帯保証人が不安視されるためです。
しかし家賃債務保証業者が登場してからは、「連帯保証人がいなくても家賃債務保証業者を利用すれば入居できる物件」が増えていきました。
また、少子高齢化・国際化といった社会情勢もあり、「家賃債務保証業者を利用する」不動産会社が増えていきました。
そのため近年、家賃債務保証業者を利用する入居者や賃貸人が増えています。国土交通省の調査によると、管理会社が個人の連帯保証人ではなく家賃債務保証業者を利用するケースが2020年度は約8割に上っています。
内訳としては、家賃債務保証業者のみが69%、連帯保証人+家賃債務保証業者が10%です。賃貸契約において、連帯保証人ではなく家賃債務保証業者を利用する形が一般的になっていると言えるでしょう。
しかし、家賃債務保証業者の利用増加に伴い、入居者から生活相談窓口へ「家賃債務保証業者から強引な取り立てを受けている」等のトラブル相談が多数寄せられるようになりました。
このような背景を国は重く見て、家賃債務保証業者登録制度を創設しました。
参照:家賃保証業者、管理会社の利用が8割に―国交省調査登録業者・非登録業者の違い
家賃債務保証業者は、設立にあたって許可・認定が不要です。そのため、入居者の代わりに建て替えた家賃の取り立てを、非常に強引な手段で行う悪質な家賃債務保証業者も少なくありません。
また、設立されてすぐ倒産してしまう家賃債務保証業者もあります。そのため国土交通省は、平成29年10月に「一定の基準を満たしている家賃債務保証業者は、国土交通大臣の登録を受けることができる」という任意登録制度を設けました。
申請が通ると「国土交通大臣の登録を受けた家賃債務保証業者」としてインターネット上で公開され、この登録を受けている会社は、信頼に値する会社であるという証明になります。
登録基準としては以下があります。
・安定した業務を行うための純資産額が1,000万円以上ある
・家賃債務保証の実施に関する法令を遵守するための研修などの制度があること
・暴力団員の関与がないこと
・肩代わりした家賃の請求方法が適切であること
・家賃債務保証業務に従事していた経験がある者がいること
登録基準をクリアしている家賃債務保証業者は「倒産のリスクが少なく、入居者とのトラブルを起こす可能性が小さい」といえます。
これから家賃保証業者を利用しようと考えている、不動産・管理会社は「登録家賃債務保証業者」を選ぶことで家賃債務保証業者にまつわるリスクを減らすことができます。
参照:家賃債務保証業者の登録制度の概要家賃債務保証業者が取り扱うサービスと料金相場
家賃債務保証業者は、入居者に代わり賃貸人に家賃の立替払いを行う集金サービスはもちろんのこと、他のサービスも数多く取り扱っています。また業者によって料金相場や特徴も異なります。
家賃債務保証業者が取り扱うサービス
家賃債務保証業者ごとに取り扱っているサービスは異なり、多岐にわたります。
家賃集金・立替払いサービス
入居者が家賃滞納した際に、入居者へ家賃の集金と、保証人の立場で賃貸人(不動産・管理会社)に家賃の立替払いを行うサービスです。家賃債務保証業者を利用する一番のメリットといえるでしょう。
家賃債務保証業者を利用する際は、以下3つのポイントを確認しましょう。
・二重入金を防ぐ仕組みがどの程度整っているのか
・送金・料金明細が賃貸管理ソフトとデータ連携し確認できるものになっているのか
・ITの運用が会社内で難しい不動産会社にとってはFAXやアプリでの集金管理は可能なのか?
駆け付けサービス
日常生活で「カギを無くした」「トイレがつまった」等のトラブルに駆けつけるサービスです。
管理会社にとっては緊急対応にかかる時間やコストを削減できることになります。24時間・365日体制、また外国人対応可能な会社もあります。
外国人対応サービス
外国人の入居希望者に向けたサービスです。外国人入居希望者への対応が不安な会社にとっておすすめです。
外国人対応サービスと一口にいっても、入居希望者に向けた動画での重要事項説明サービス・ショートメッセージサービスなど多くの種類があります。
なかでも、外国人入居希望者が来店した際、担当者・外国人入居希望者・通訳の三者間通話を行い「契約内容や家賃の支払い方法」を案内することが可能なサービスは非常に便利です。外国人入居希望者の間口を広げることにもつながります。
賃貸管理システムサービス
独自で賃貸管理システムを持っている家賃債務保証業者もあります。申し込みから審査までをペーパーレスでスピーディーに行うことができるため、審査や問い合わせの度に書類を探す手間が省け、業務を効率化できます。
各種保険付帯サービス
家財保険などの保険契約や更新手続きなど、保険にかかわる手続きを代行するサービスです。保険の更新手続き、解約手続き、保険料集金・送金、保険業務監査対応など多くの保険関連の業務を少なくできます。
通常の保証契約手続きだけで、保険の手数料収入を得られるのは大きなメリットだといえるでしょう。
家賃債務保証業者を利用した際の料金(大手5社比較)
賃貸人が家賃債務保証業者を利用する際には、基本的に料金はかかりません。入居者の物件契約時の「初回保証料」と、入居者が年間に支払う「保証委託契約更新料」が家賃債務保証業者の収益源になります。
以下は、大手の家賃債務保証業者5社の料金比較です。
最安プラン | 初回保証料 | 保証委託契約更新料 | 住居用プラン数 | |
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日本セーフティ | 保証人有りプラン(プラス1) | 月額賃料等合計額の40%(住居専用) | 10,000円/年 |
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日本賃貸保証 | JIDトリオ | 賃料の30%(最低15,000円) | 賃料の30%(最低15,000円)/2年 |
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Casa | BASIC プラン | 賃料等合計額の50%(最低保証委託料20,000円) | 10,000円/年 |
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全保連 | 毎年プラン(住居) | 賃料の30%(リピーター割20%) | 賃料の10%/年(上限10,000円) |
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ジェイリース | J-ウイング(継続タイプ) | 総賃料の50% | 10,000円/年 |
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いえらぶパートナーズ | いえらぶ安心保証(住居プラン) | 賃料の50%(最低25,000円) | 10,000円/年 |
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表は一例で、家賃債務保証業者へ問い合わせると、プランをカスタマイズできる可能性があります。
家賃債務業者に「初回保証料をなくす代わりに、一年ごとの保証委託契約更新料を上げてほしい」など交渉し、自身の賃貸経営の状況にあったプランを選ぶようにしましょう。
管理会社・オーナーが家賃債務保証業者を利用するメリット・デメリット
管理会社・オーナーが家賃債務保証業者を利用するメリット
現在、家賃債務保証業者が取り扱うサービスは家賃集金・立替だけでなく多岐にわたっています。
外国人対応サービスや駆け付けサービスは「不動産管理業務」の一つとも言え、家賃債務保証業者を利用することで不動産管理をより楽に効率的に行えるでしょう。
家賃債務保証業者が行うサービスがそのままメリットになるといえるでしょう。
管理会社・オーナーが独自でトラブル対応を行う際のデメリット
仮に賃貸人が独自で集金を行った場合、滞納者に電話し、そこで電話が繋がらなければ連帯保証人へも電話しないといけません。それでも滞納が続いた場合は手紙を作成し、発送し自宅訪問、それでも滞納が続いた場合は裁判を起こすしかありません。
裁判になれば時間がかかり、弁護士依頼・強制執行等の手続きも行う必要があります。裁判の書類の用意は大変で、弁護士依頼は一見さんだと数十万、強制執行だと100万円以上かかるケースもあります。
また入居者が夜逃げした場合、退去後ゴミ屋敷だった場合の対応も大変です。自分でトラックを手配し、撤去、荷物の保管といった業務を自腹で行う必要があります。
また、孤独死があった場合は、遺体の搬送・病院の手配が必要で、一日警察に拘束されます。
債権管理・トラブル対応の点から考えても、家賃債務保証業者を利用するメリットは大きいです。
管理会社・オーナー必見!家賃債務保証業者の選び方
家賃債務保証業者の選び方
賃貸経営を行う中で「外国人入居者が多くなってきたため、外国人入居者にも対応できるサービスが欲しい」「入居者の定着率をあげたいため、充実した駆け付けサービスがあると便利かもしれない」など感じる部分があるはずです。
そういった「賃貸経営における課題」を解決できる家賃債務保証業者を選ぶ必要があります。そのためには、「取り扱うサービスが豊富な」家賃債務保証業者がおすすめです。
家賃債務保証業者によっては「外国人入居者対応サービス」は取り扱っていても、「駆け付けサービス」等他のサービスは取り扱っていない場合があります。サービスの幅が広い家賃債務保証業者を選ぶことで、入居者の満足度も高まります。
また、「倒産のリスクが少ない」「審査が厳しすぎず、事故率の高い入居者を管理する仕組みを持った」家賃債務保証業者選びも重要です。
家賃債務保証業者が倒産した場合は、入居者と家賃債務保証業者の間の保証契約はなくなり、貸主から見ると入居者は「無保証」の状態になります。
無保証の入居者と賃貸借契約を継続してしまうと、入居者が無資力の場合、債務を代わりに弁済するよう請求する人がいない状態になってしまいます。家賃債務保証業者と契約を結ぶ場合は、家賃債務保証業者が健全な経営状態にあるか気を付けましょう。
もし家賃債務保証業者の審査が厳しすぎると、入居者が少なくなってしまいます。かといって家賃債務保証業者の審査が甘すぎても、事故率の高い入居者が集まってしまいます。
「審査が厳しすぎず・事故率の高い入居者の管理ができる仕組みを持った家賃債務保証業者」選びが重要です。
取り扱うサービスの幅が広い「いえらぶパートナーズ」がおすすめ!!
「いえらぶパートナーズ」は扱うサービスの幅が広い
いえらぶパートナーズは、安定的に賃貸経営ができる基盤づくりをサポートしながら、入居者にとっても借りたい部屋が借りやすいようにサービスを提供している会社です。
下記のサービスを取り扱っています。
駆け付けサービス | 様々な生活トラブルや暮らしのお悩みをサポートする24時間体制の生活見守りサービス |
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家電の安心修理サポートサービス:Syu-rIt! | 自宅にある家電機器や住宅設備に故障が発生した場合に電話一本で有償修理の手配を行う修理サポート+スマートフォンなどの通信端末の補償が付帯されたサービス |
賃貸管理システム:KanrIt!(利用料無料) | 利用料無料で「申込」「状態・進捗状況確認」「物件/顧客/帳票管理」などの管理や、各種帳票のダウンロードがWEB上でカンタンに行える管理ツール |
クレジットカード決済サービス | 毎月の家賃はもちろん、賃貸物件のご契約に関わる敷金・礼金などの初期費用など、更新料、退去時費用など、様々な費用のクレジットカード決済が可能なサービス |
外国人入居者向けサービス | 外国人契約者様のご契約時における対応をしっかりサポートするサービス。通訳アプリや、外国人が不動産会社に来店した際の第三者間通話サポートも。 |
各種保険付帯サービス(家賃保証に家財保険・孤独死保険の自動付帯が可能 | 家賃保証に「家財保険」や「孤独死保険」の自動付帯が可能なサービス。多くの保険関連の業務を少なくできるのがポイント。 |
近隣トラブル解決支援サービス Mamorocca |
警察のOB・OGによる近隣トラブル解決支援サービスです。 |
ベネフィットサービス | ご契約者限定のお得な特典で日本全国あらゆるサービスがご利用いただけます。 |
シニア向け 総合見守りサービス | シニアの単身ご入居者様とご家族・管理会社様(家主様)をあんしんサポート! |
保証切替プラン | 既存ご入居者様への保証加入を全面サポート! |
「これだけのサービスを扱っていると、一つ一つのサービスの質が悪くなってしまうのでは?」と疑問に思ってしまうかもしれません。
しかし「いえらぶパートナーズ」はシステム・データ連携分野において効率化が進んでいます。そのため、質を落とさずに幅広いサービスを扱えているといえるでしょう。
「登録家賃債務保証業者」であるため、企業経営も健全だといえます。保証料はカスタマイズが可能で、賃貸経営の状況に合ったプランを選べることも魅力的です。
「いえらぶGROUP」のグループ会社であるため、倒産のリスクが少ない
「いえらぶパートナーズ」は「株式会社いえらぶGROUP」のグループ会社です。「株式会社いえらぶGROUP」は拡大する不動産テック業界で売上高を年々伸ばしています。そのため資金難で倒産するリスクは少ないといえるでしょう。
参照:官報決算データベース「株式会社いえらぶパートナーズ 第7期決算公告」家賃債務保証業者には「独立系」「信販系」「協会系」の3種類があります。その中でいえらぶパートナーズは「独立系」にあたります。
審査の厳しさとしては「信販系」>「協会系」>「独立系」と一般的に考えられています。いえらぶパートナーズは「独立系」の仕組みを採用しているため、入居者の審査は厳しくありません。
ただ、大手ポータルサイトからの申し込みから審査部がデータ連携し審査を行っているため「事故率が高い入居者を誤って入居させてしまう」といった審査ミスは少ないといえるでしょう。
いえらぶパートナーズは、サービスが幅広く・倒産するリスクが少ない・入居審査のミスが少ないため、管理会社・オーナーへおすすめの家賃債務保証業者だといえます。
店舗やオフィスといった事業用物件に関しても、「事業用テナント保証」で手厚く保証できます。
「今の家賃債務保証業者に不満がある」「これから家賃債務保証業者のサービスを使ってみたい」そんな方には「いえらぶパートナーズ」がおすすめです。
下記が申し込みページです。より詳細にサービスの案内がされているため、興味を持った方はぜひご覧ください。
まとめ
近年の社会情勢もあり、入居者、賃貸人の両者にとって、家賃債務保証業者は欠かせないものになっています。
家賃債務保証業者のサービスは多岐にわたり、便利な面は多いですが、利用する家賃債務保証業者の選び方には注意しましょう。
今回ご紹介した「いえらぶパートナーズ」は取り扱うサービスが豊富・倒産するリスクが小さい・入居審査のミスが少ないため、管理会社・オーナーへおすすめの家賃債務保証業者です。
「入居者の満足度を高める」賃貸経営を実現するために、サービスの利用を一度ご検討してみてください。