不動産広告の基礎知識~知らなきゃ損する不動産広告のルール①~
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目次
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昨年は自動車メーカーの無資格検査や化学メーカー・鉄鋼会社のデータ改ざんなど品質保証に関する問題が頻出しましたね。
不動産業界でも情報の透明性や正確な物件状況を求める声が年々大きくなり、業界としても関心が高まっていると思います。
そこで今回はそんな物件情報開示の元となる、不動産に関する公正競争規約についてご紹介します。
>公正競争規約の規制概要
不動産の表示に関する公正競争規約【表示規約】
公正競争規約は、下記の目的、適用対象、運用機関のもとに運用されています。
【目的】
…不動産の広告表示に関する事項を定めることにより、不当な顧客の誘引を防止し、「一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保すること」及び「不動産事業者間の公正な競争を確保すること」
【適用】
…不動産公正取引協議会に加盟する不動産事業者
【運用機関】
…不動産公正取引協議会(日本全国を「北海道」「東北」「首都圏」「北陸」「東海」「近畿」「中国」「四国」「九州」の九つのブロックに分け、それぞれのブロックに協議会があります。
表示規約の規制を受ける広告表示
不動産の表示規約が適用されるのは下記の広告媒体になります。
・新聞折込チラシ等
・新聞
・雑誌
・インターネット広告(SNSや掲示板も含む)
・パンフレット(図面集)
・電子メール・DM
・テレビ・ラジオ
・現地看板
・駅貼りポスター
・車内広告(中吊り等)
・店頭ビラ
・手渡し図面
・セールストーク
・・・etc
「レインズ情報」と「業者間情報図面」は、“プロである不動産事業者”が利用するものである、という性格を持つことから表示規約のルールを適用しないこととしています。
しかし、これらの情報を一般消費者に手渡したり、インターネットやチラシに掲載するなどした場合(二次利用)には、表示規約のルールが適用される広告表示になります。
上記でいうと「手渡し図面」や「インターネット広告」「新聞折込チラシ等」に該当します。
また、表示規約の規制を受けるのは居住用の物件になります。
事業用を目的として取引される物件は規制対象外になります。
例:店舗や事務所、工業用団地など
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規制の背景とは
不動産業界で働いていると必ず耳にする言葉「おとり広告」。
不正な物件情報を広告で流し消費者を誘因する違反行為です。
このおとり広告には定義があります。
・取引の申し出に係る不動産が存在しない為、実際に取引することが出来ない不動産についての表示(…実在しない住所・番地を掲載した物件)
・取引の申し出に係る不動産は存在するが、実際には取引の対象となりえない不動産についての表示(…売約済みの物件)
・取引の申し出に係る不動産は存在するが、実際には取引する意思がない不動産についての表示(…希望者に他の物件を進めるなど当該物件の取引に応じない場合)
おとり広告の掲載は、不動産会社への問い合わせなどの反響を増やし、管理物件の成約数を上げることを目的としていて、来店時には成約済みになったが別の似た物件を紹介されるということが多いようです。
さらに過去の違反例を見ていきましょう。
「シェアハウス ドミトリー」と記載してはいるものの「家賃 3.5万円 1DK 専有面積30.0㎡」等と記載するとともに、1DKの間取り図を掲載し、あたかも1DKの物件を専用使用できるかのように表示しているが
実際には、30㎡の部屋 を5人で共同使用し、また、DKやシャワールーム及びトイレ等は14人で共同使用するものであり、さらに、間取り図も改ざんしていた。
(公取協通信第259号(平成27年10月号)。なおこの広告を行った事 業者は表示規約第27条の3の規定に基づき事業者名が公表)
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このような改ざんに対しての罰則として
広告を入稿したサイトへの1か月の入稿禁止。
情状が特に重い場合は免許取り消しや6ヶ月以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる場合もあります。
また重大な瑕疵があるのにも関わらず表示しない場合もおとり広告となるので注意が必要です。
2017年に行われた調査によると、これまで厳重警告・違約金の措置などを受けた事業者143社・929物件を対象として、おとり広告の抜き打ち調査が行われました。
結果は以下の通りです。
調査対象事業者数143社中32社(22.3%)
調査物件数929件中78件(8.3%)
(調査物件数及び違反物件数と、調査事業者数及び違反事業者数(出典/首都圏公取協)
違反が8.3%に留まっているのは、この広告規制が行われた結果であると示唆します。
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物件探しの約8割はインターネットで情報収集
2016年の調査によると不動産屋さんに行く前に事前にインターネットで情報収集する人の割合は77.7%となっており、ネットへの物件情報の掲載が必須になっている。
(出典 株式会社リアルネットプロ 引越についての調査:https://www.atpress.ne.jp/news/104603)
さらに2017年に行われた調査では物件契約をした人の約9割が「正確な物件情報の提供」を不動産会社に求めていた。
(出典 不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)『「不動産情報サイト利用者意識アンケート」調査結果』:https://www.rsc-web.jp/)
これらの調査より、物件情報は正しく詳細な説明が反響や契約へ繋がることは確かですし、今後も規制が増えていく中で、正しい情報をいかに詳細に消費者に提示していくことがマストとなるのではないでしょうか。
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不動産広告表示違反を生まないために細かなルール確認を怠らずに
不動産にはほかの商品と違って「同じもの」がありません。
また、購入となれば高額で、一生に一度あるかどうかの買い物になります。
そのため不動産広告には細かなルールが定められています。
そんな中、不動産の表示に関する公正競争規約【表示規約】によって、特定の用語の使用が制限されました。
それらのルールを守ることは、一般消費者にとっての不公正な取引を防ぐことに繋がり、また不動産会社にとっても意図せぬ広告表示違反を防止することに繋がります。
ルールの徹底には正しい規約の把握と時に労力がかかりますが、時にはツールにより簡略化できることもあります。
消費者は物件の詳細を正確に知りたいという現状、しかし掲載規定が厳しくなった今。
しかし入力作業を人の手と目で確認していては時間がかかり手が回らない…
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