告知事項に該当する4つの瑕疵を解説!告知義務にならない場合とは?
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今回は不動産の告知事項について解説します。
不動産の契約時には、告知事項がある場合、借主への告知が義務づけられています。この告知事項、実は解釈の範囲が広く曖昧なものが多いようです。
例を挙げながら説明していきます!
不動産における「告知事項」とは何か?
「告知事項」とは、「買主が知っていたなら購入しない可能性のある物件の重大な瑕疵や事実」のことをいいます。
ちなみに、不動産における「瑕疵」というのは、土地や建物に何らかの不具合がある状態を指します。
よく不動産の特集番組なんかで「事故物件」や「訳アリ物件」というような言葉を聞いたことがありますよね。過去にその物件で自殺者が出たとか、近くにお墓があるなどの恐怖心を覚えさせるようなものが想像しやすいかと思います。
他にも様々な事例がありますが、告知事項は不動産業に携わる人なら知っていなければならないことなのでここから詳しく見ていきましょう!
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不動産の告知事項に該当する瑕疵の4類型
①心理的瑕疵
心理的瑕疵は、借主、買主に精神的に抵抗を感じる恐れのある事柄を指します。
この心理的瑕疵に当たる内容がいわゆるメディアで特集されることの多いものになります。過去にその物件で殺人事件や、自殺、孤独死…といった恐怖心を与える出来事があったパターンです。
ただこれは、何が心理的瑕疵に当たるかの明確な規定が無く、不動産取引においても非常に取り扱いづらい瑕疵であるといえます。
とはいえ、説明を怠ったら購入者に迷惑をかけますし、後々訴えられて自分自身も苦労することになるので、必ず説明を行いましょう。
②環境的瑕疵
環境的瑕疵は、物件の周辺環境が不快感や嫌悪感を与えるような状況にある事柄を指します。
・宗教団体や指定暴力集団が近隣に住んでいる
・ゴミ処理場や動物園のように匂いが気になる
・道路沿いや幼稚園・学校の近くで騒音がうるさい
・お稲荷さん、お墓などの神事や仏事に関連する施設があった
・境界に関して隣人ともめている、もしくはもめたことがある
などが該当します。
また、環境的瑕疵は時に恐怖心を覚えさせることもあり、心理的瑕疵に含まれるケースもあります。
特に売買では、細心の注意を払ってこれらの説明をしなければなりません。自分自身が家や土地を買う時を想像してみてください。
上記のようなものがある、過去にあった土地というのは、嫌悪感を持つ人や不利益さを感じる人もいますよね。買ってから事実を知ることになれば、不満に感じる人も多いでしょう。
③物理的瑕疵
物理的瑕疵は、物件そのものに物理的な不具合や欠陥がある事柄を指します。
・雨漏りがする
・シロアリが出る
・耐震強度が不足している
・ゴミが地中に埋められている
・地下室や浄化槽が埋められている、もしくはその可能性が高い
等が該当します。
④法的瑕疵
法的瑕疵は、「建築基準法」「都市計画法」「消防法」の3つの法律のいずれかに対して違反があり、使用制限がかかった状態を指します。
家を建てる時のサイズの指標である容積率や建ぺい率は適切か、防災扉や消火器がしっかり設置されているかなどが該当します。
確認不足で国からお咎めを受けることの無いようにしましょう!
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事件や事故の場合でも告知義務にならないものもある
心理的瑕疵のところで明確な規定が無いといいましたが、一部規定が設けられています。その規定によって、告知義務になると思われがちなものでも実際はそうでないケースが存在するのです。
告知事項の話をするときによく出てくる例では、その物件で事件や事故があったというということが多いです。しかし、これはその物件で人が亡くなった場合絶対に告知義務の対象になるというわけではありません。
告知義務とならないケースはどのようなものかというと、
・入居者が病気で自宅療養中に亡くなった
・事件性の無い事案での死亡
になります。
どちらにも共通するのは、事件性がない点です。告知義務とならない基準には事件性の有り無しが関係してくるようです。
ちなみに、告知義務となる場合は、
・自殺
・変死
・警察の捜査が必要な、強盗事件、火事等の事件
になります。
人が物件の中で亡くなったすべての場合において告知義務になるというわけではありませんので注意してください。
こういった基準を知らずに、勘違いして告知義務に違反してしまったり、告知しなくても問題のない内容を告知して入居者が決まらなかったりするのも困ってしまいますよね。
ですので、この基準をぜひ知っておいてください!
告知事項を忘れると大変なことに…
これまで紹介してきた告知事項は、借主にしっかり説明しなくてはいけません。書面を通して忘れずに、必ず行うようにしてください。
万が一忘れてしまい、借主がそれに気づいたとしましょう。最悪の場合は、訴えられることもあります...!説明のし忘れは、完全に説明する側の落ち度ですので、裁判では圧倒的に不利になります。
ただ、説明さえしていれば告知事項のトラブルに関しては未然に防げるので、この説明は借主が理解できるまで説明するようにしてください。
まとめ
今回は、不動産の告知事項について紹介しました。
告知事項は、契約を結ぶ前に告知するものになります。その内容によって賃料や土地の価格の交渉になることもあるでしょう。告知から交渉、契約までの経緯はしっかりと書面に残し安全な取引を心掛けて下さい。
告知事項の説明を徹底して、気持ちの良い不動産取引ができるようにしましょう!
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