態度の悪い入居者NG…契約更新は断れる?
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態度の悪い入居者、もう契約をやめたい!
賃貸借契約を結ぶ前に審査をしているとはいえ、入居者にはやはり態度が良い人・悪い人、様々なタイプの人がいます。
近隣住民からよくクレームが入ったり、たびたび滞納したりと、家主や管理会社からすると手を焼いてしまう入居者もいるでしょう。
さて、ある時、家主から「入居者の○○さんには、次回の更新は遠慮してもらいたいと考えているんです…」とカミングアウトされたとしましょう。
はたして、そんなことが可能なのでしょうか?
契約形態によって、更新拒絶のしやすさが変わる
家主から相談を受けた時、まず契約形態がどうなっているのか確認しましょう。
普通借家契約を結んでいるのか、定期借家契約を結んでいるのか。
これによって契約更新が拒絶できるかどうかが異なります。
契約書を確認し、どちらの契約形態となっているのかチェックしましょう。
普通借家契約ではまず不可能!それでも通知は忘れずに
契約形態が普通借家契約であった場合、更新を拒絶することはまず不可能であるということを覚えておきましょう。
解約を言い渡されると最悪住む場所を失ってしまうという観点から、基本的には入居者は法的に保護されているのです。
とはいえ、更新を拒絶できないのか、というとそういうわけではありません。
拒絶するには「解約予告期間内に家主から入居者に解約通知を行なっている」ことが最低条件の1つとなっています。
通知をしたとしても、法的に必ずそれが実行できるというわけではありません。
しかし家主がどうしても更新を拒絶したいという場合、期間内に通知をしていないと更新を拒絶できる可能性すらなくなってしまいますので、忘れずにするようにしましょう。
拒絶する正当な事由はあるのか?
またもう1つの最低条件は、「契約更新を拒絶するに値する正当な事由がある」ことです。
この正当な事由としては、たとえば家主がどうしてもその部屋を使わなければいけなくなった、といった「家主が物件を使用する必要性」が挙げられます。
しかし上記でも少し触れたように、入居者は最悪住む場所を失ってしまう弱い立場なので、「入居者が物件を使用する必要性」というのは非常に高いです。
また、他にも度重なる滞納やひどい素行不良によって、「賃貸人と賃借人との信頼関係を破壊された」ということも正当な事由として認められうるでしょう。
しかし「家主の方が物件を使う必要性が高いこと」や「賃貸借人の信頼関係が破壊されたこと」というのは証明が難しいため、簡単には更新を拒絶できないでしょう。
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家主からの契約更新拒絶は無理なもの?
このように普通借家契約の場合を見てみると、契約更新の拒絶はまったくもって実現不可能なものに見えてきます。
しかも、普通借家契約では更新手続きを行なわなかった場合には自動で法定更新されてしまうため、そもそも更新手続きをしなければよいのではないか?といった淡い期待も叶いません。
しかし、次に見る定期借家契約ではこの自動的に発生する法定更新がないため、普通借家契約と比べてみると非常に契約更新を拒絶しやすい契約形態であると言えます。
契約の解約通知は忘れずに
定期借家契約では法定更新がないため、手続きさえ問題なく行なえば契約更新しないという選択肢を簡単にとることができます。
まず普通借家契約と同じく、契約の解約通知を決まった期間内に行なうことが最低条件となります。
契約期間が満了となる6ヶ月前~1年前に、入居者に対して通知を行ないましょう。
これを忘れて期間を過ぎて通知してしまった場合、通知してから6ヶ月後の契約解除しか行なえなくなってしまいますので注意しましょう。
ただ、期間内に通知しなかった場合でも6ヶ月後の契約解除が可能であるという点で、やはり普通借家契約と比べて、家主側から簡単に契約更新を拒絶できることが分かりますね。
契約書とは別の書面で、事前に説明を!
注意しなければならないのは定期借家契約の場合、入居者に契約書とは別の書面を渡して、契約期間満了時に賃貸借が終了する旨を、契約時に説明する必要があることです。
これを忘れてしまうと契約更新が拒絶できないといった問題にとどまらず、定期借家契約を締結しているつもりが普通借家契約として扱われてしまっている、といった根本的な問題が起こってしまいます。
定期借家契約を結ぶ際には、上記のような事前説明書面を用意することを覚えておいてください。
以上の手続き2点を踏むことで、家主側から契約更新を拒絶することができます。
まとめ
契約更新を拒絶できるのかそうでないのかは、契約形態によって異なります。
普通借家契約では難しく、定期借家契約では比較的簡単に行なえるのでした。
では、定期借家契約が素晴らしい契約形態なのかというとそんなことはありません。
入居者は、解約をいつ言い渡されてもおかしくないというリスクを抱えるわけですから、定期借家契約の物件には住みたくない、という方もいるかもしれませんね。
管理会社としては、家主が更新を拒絶したいと悩む前に、入居者の態度を改めさせるような適切でこまやかなコミュニケーションを行なうことも大事にしていきたいですね。
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