自動車業界のIT化が不動産業界に影響するかもしれない話
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ここ数年で不動産業界のIT化は随分と進んできており、不動産テックやReal Estate Techと呼ばれ注目されてますよね。
IT化による業務効率化やIoT・VRによる利便性の高いサービス、AIによる賃料・価格・利回り算出などなど…。
このような新規の不動産系サービスも気になりますが、その他の分野でも技術革新は進んでいます。
今回は、自動車業界のIT化による不動産業界への影響をご紹介します。
自動運転の実現で影響を受け
ついにはじまる自動運転
今月15日から開催された北米モーターショーでは、話題の一つとしてGMが先行公開した「レベル4」の自動運転車がありました。
原則的に人手が不要な自動運転車です。
さらに、今年前半には、グーグル傘下のウェイモが、完全無人運転の「レベル5」のライドシェア実験を行う予定です。
日本も「レベル5」の2025年実用化を目指します。
まだ法規制や個人としての向き合い方含めて不確定な部分は多いですが、いよいよ自動運転がはじまる社会が現実的になりました。
影響を受けるのは駐車場?
こうした動きに、自動車やIT各社に次いで大きな影響を受けるのが、不動産業界だとも言われています。
まずいつでも車がお迎えに来てくれるなら、現在の物件探しの大きな基準である「駅から徒歩○分」は今ほどの価値はなくなるでしょう。
また夜間は遠方の駐車場に止めておけばいいので、駐車場付が魅力の「ミニ戸建」などの物件は、一定の需要を失う可能性もあります。
一方、既存のマンションへの影響も深刻です。 首都圏のマンションの約6割に駐車場が設置されていますが、将来的には、マンションの駐車場は大幅に値下げしない限り空きだらけになりかねません。
さらに私営の駐車場スペースの活用方法も今後注目されます。
東京都下の有料駐車スペースは2010年から2015年の5年で15%増と、増加傾向にあります。
直近データによれば、27万台分、推定250万m2程度で、大規模なタワーマンションでも250棟建てられる広さです。
これらの一部は転用を強いられ、新たな土地活用としての供給が見込まれます。
不動産需要への影響
このように完全無人走行が実現すれば、膨大な駐車スペースが解放されることで、現在の不動産の価値をさまざまな形で変化させるでしょう。
これは居住可能面積が小さい日本では、他国以上に大きな影響となりそうです。
まだまだ先の話のようですが、日本におけるレベル5の始動まであと7年しかありません。
これからの不動産需要や購入者の傾向には、無人運転の影響を少し念頭においた方がいいかもしれません。