不動産物件情報の情報流通のIT化がもたらす効果
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不動産業界に携わる方は、「不動産テック」という言葉を一度は見聞きしたことがありますよね。
これは不動産とテクノロジーを組み合わせた造語で、不動産業界においてテクノロジーの力を使って新しい仕組みを作り出すことや、従来の慣習を変えようとする試みです。
元々はファイナンスとテクノロジーを組み合わせた、造語の「フィンテック」が語源となっています。
さまざまな業界でIT化により事業体形が変わっていく中で、不動産業界も同様に変化してきました。
不動産物件の情報流通IT化は、多くの物件情報を取り扱う不動産事業者にとって非常に親和性が高く、レインズ(Real Estate Information Network System/不動産流通標準システム)は平成2年5月に導入されて今でも活用されています。
また、国土交通省はITを活用した賃貸物件の重要事項説明の本格運用を平成29年9月から始め、今後は売買物件についても対応できるよう実験を始めるなど、積極的にIT化を推し進めています。
では、現在行われている不動産物件の情報流通IT化については、どのようなものがあるでしょうか。
不動産流通標準システム「レインズ」とは
不動産の売却・賃貸のための情報流通システム
レインズとは、不動産の売却・賃貸のための情報流通システムです。
不動産事業者が会員となって、不動産物件の売買・賃貸の情報を公開することや、他の事業者が登録した物件情報を閲覧することができます。
不動産売買を例に説明しましょう。(賃貸物件も同様です)
1.お客様の希望条件を入力し、該当物件を検索する。
住みたい地域や最寄り駅の他、土地・建物の大きさ、物件の種別(新築か中古か、一戸建てかマンションか)など、さまざまな条件で検索することができます。
2.不動産事業者と不動産媒介契約を結ぶ。
媒介の種類が専属専任媒介契約か専任媒介契約の場合は、レインズに物件登録することが宅建業法で義務付けられています。
3.不動産物件の売買契約が成立したら、成約日と金額をレインズに登録する。
成約事例は、自社だけでなく他の不動産事業者にとっても、今後の不動産取引の相場確認や物件金額査定の際の参考となります。
広いエリアで多くの物件を扱えるように
このように不動産事業者同士で情報共有をすることで、広いエリアで多くの不動産物件情報を取り扱うことができるのです。
そしてレインズは日本で最初に不動産物件情報流通のIT化が成功し、活用される例になったのです。
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マイソクとは
マイソクとは、株式会社マイソクが運営する不動産情報サイトをさす場合と、不動産情報を一枚の用紙にまとめたチラシをさす場合があります。
ユーザーも閲覧できる不動産情報検索サービス
前者の場合は、レインズと同じように不動産売買や賃貸情報を検索できるサービスですが、不動産事業者限定ではなくエンドユーザーも閲覧することができます。
情報の登録方法は、不動産事業者がマイソクに依頼をして、不動産情報を掲載してもらいます。
ただし、任意で不動産事業者が登録するものなので、その部分はレインズと異なるところです。
物件情報を記載したチラシをマイソクと呼ぶことも
一方で後者の場合は、不動産情報をA4またはB4サイズの用紙にまとめ、立地や間取り・金額や物件情報など、取引上必要最低限な情報が載った販促資料となります。
元々は、不動産事業者が登録した物件情報をベースに株式会社マイソクが紙媒体を作成し、各社へ届けるサービスを行っていました。
ただ、今は自社で作成したチラシのこともマイソクと呼ぶことがあります。
パソコンが普及する前は紙媒体での情報のやりとりが主流だったため、今でもこのサービスを愛用している不動産事業者もいますね。
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不動産物件の情報流通IT化に関するその他の方法
不動産ポータルサイトを活用
現在普及している不動産物件の情報流通方法は、ポータルサイトでの検索が多いでしょう。
このサイトは、不動産事業者が会員登録することで見ることが出来るデータベースもありますが、エンドユーザーもサイトにアクセスして情報を得ることができます。
いわば、不動産事業者とエンドユーザーをつなぐことを目的としたサービスと言って良いでしょう。
不動産会社が運営するサイトで情報発信
その他にも、不動産事業者が自社サイトの運営を行い情報発信するなど、各社が不動産物件情報流通のIT化を推し進めています。
まとめ
不動産業界は、早い段階から不動産物件情報のIT化に取り組んできました。
その中で不動産事業者は多くのサービスを選択し、各社に合った方法で活用することができるようになりました。
その反面、多くのサイトや情報が氾濫し、何から手をつけていいのか分からないという意見も少なくありません。
現在の不動産物件情報流通システムは、過渡期が訪れていると考えられます。
今後は不動産テックの利用により、新しいシステムが構築されます。
エンドユーザーにより購入(または賃借)検討者情報の掲載が行われたり、AIによる物件査定が行われたりなど、顧客がより利便性の高いサービスを受けることができるようになります。
不動産事業者が時代の変化に置いてきぼりにならないように、不動産物件情報流通のIT化を更に進めていく必要があるでしょう。
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