集客

おとり物件に関する調査レポート2024(いえらぶGROUP)

調査サマリー

1. エンドユーザーの91.7%が「おとり物件で住まい探しのタイパが下がる」と回答。都内で住まい探しをする人の81.7%がおとり物件に遭遇
2. 問い合わせた物件が契約済みの場合、同じ店舗で住まい探しをするエンドユーザーは賃貸41.3%、売買24.0%
3. 売買仲介会社の90%以上が物件確認に電話を使用!不動産業者専用サイトの普及率も賃貸の7割にとどまる

調査の背景

故意・過失問わず「入居者募集の広告が掲載されているが、実際には契約できない物件」をおとり物件(および、おとり広告)と呼びます。インターネットが普及する前から問題となっており、1980年には消費者庁により「不動産のおとり広告に関する表示」(※1)が施行されました。近年も2019年の「おとり広告の禁止に関する注意喚起等」、2022年9月の「不動産の公正競争規約」(※2)と、たび重なる制度改正による対策が講じられています。

時間をかけてポータルサイトで選んだ物件が元々契約できない物件だった場合、エンドユーザーの顧客体験が悪くなるだけでなく、不動産仲介会社のイメージ低下につながることもあり、両者にとっての機会損失になります。

いえらぶGROUPでは、新生活のための住まい探しが始まるシーズンに合わせて、業界全体の課題意識と実状を明らかにするために不動産会社・エンドユーザーを対象に実態調査を実施しました。

調査概要

調査期間:2024年2月2日(金)~2月12日(月)
調査機関:自社調査
調査対象:【不動産会社】「いえらぶCLOUD」を利用している不動産会社の従業員など、【エンドユーザー】「いえらぶポータル」利用ユーザーや当社SNSフォロワーなど
有効回答:【不動産会社】370名、【エンドユーザー】1,184名
調査手法:インターネット調査

▽本調査のプレスリリース
【おとり物件でタイパが低下】都内82%の人がおとり物件に遭遇。その後の物件紹介率、売買で24%|いえらぶ調査
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000429.000008550.html

1. エンドユーザーの91.7%が「おとり物件で住まい探しのタイパが下がる」と回答。都内で住まい探しをする人の81.7%がおとり物件に遭遇

「おとり物件で住まい探しのタイパが下がると思いますか?」という質問に対して、「思う」「どちらかと言えば思う」と回答した人は91.7%でした。
2年以内に引っ越しをした/する予定のエンドユーザーのうち、67.2%が「ポータルサイトに掲載されている物件に問い合わせて『契約済み』と言われたことがある」と回答しています。特に、都内在住に限ると81.7%の人が「ある」と回答しており、おとり物件の問題が未解決であると分かります。

2. 問い合わせた物件が契約済みの場合、同じ店舗で住まい探しをするエンドユーザーは賃貸41.3%、売買24.0%

「契約済みと言われた場合、同じ店舗で別の物件を紹介してもらいますか?」という問いに「はい」と回答したエンドユーザーの割合は、「賃貸のために探すとき」で41.3%、「購入のために探すとき」で24.0%でした。

特に繁忙期には賃貸物件の申込みが重なることも多いため、契約済みの物件に出会うことを割り切っているエンドユーザーが一定数存在しています。
しかし購入の場合、同じ店舗で物件を紹介してもらう割合は24.0%と、賃貸の場合の41.3%と比べて低く、問い合わせから物件紹介につながる割合が下がっています。

特に都内在住者に限ると紹介してもらう割合は18.5%であり、紹介してもらわない人の割合20.0%を下回りました。

3. 売買仲介会社の90%以上が物件確認に電話を使用!不動産業者専用サイトの普及率も賃貸の7割にとどまる

物件の取引状態を確認する作業を「物件確認」と呼びます。物件確認のタイムラグが、意図しないおとり物件の発生につながることもあり、不動産仲介業務において重要な作業の一つです。

賃貸、売買を問わず最も多く使われる物件確認のツールは「電話」であり、特に売買仲介会社の90.8%が電話を使用しています。しかし、物件確認のための電話は売り手・買い手(貸し手・借り手)双方の不動産会社の手間になります。

また、オンラインで物件確認が手間なくできるITサービスも存在します。その一つが不動産業者専用サイトです。しかし、専用サイトで物件確認する売買仲介会社は58.7%であり、賃貸仲介会社の83.3%を大きく下回りました。売買仲介会社は、賃貸仲介会社と比べて、業務のデジタル化が遅れています。

オンラインで物件確認をしたいですか?という質問に対しては、賃貸仲介会社の87.5%、売買仲介会社の89.9%が「したい」または「どちらかといえばしたい」と回答しています。加えて、「おとり物件の掲載は避けたいですか?」という問いに対して、97.3%の不動産会社は「避けたい」「どちらかと言えば避けたい」と回答しました。

不動産会社もおとり物件に対して問題意識があり、どうにかしたいと考えているものの、人材不足・業務過多・予算不足などの課題があり、十分な対策ができていません。今後、オンラインサービスの活用などによるおとり物件の一掃が期待されます。

▽本調査のプレスリリース
【おとり物件でタイパが低下】都内82%の人がおとり物件に遭遇。その後の物件紹介率、売買で24%|いえらぶ調査
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000429.000008550.html

▽本調査に関する問い合わせ
https://ielove-cloud.jp/news/entry-756#mail

いえらぶCLOUD紹介資料

株式会社いえらぶGROUP

この記事を書いた人株式会社いえらぶGROUP

いえらぶGROUPは、住業界にイノベーションを起こし、誰もが安心して住まい選びができること「いい家、選ぶ」を実現します。

記事一覧へ

Related articles関連記事