不動産契約「売買契約」は電子契約OKか?法律改正の動向も徹底解説
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「電子契約ツールって便利そうだけど、不動産業界で電子契約って大丈夫?」
そう思う方は少なくないのではないでしょうか。
高額であり、人々の生活において大事な基盤となる物件を扱う不動産業界では、一部で電子契約が禁止されているようです。ややこしいですよね。
そんなわけで今回は、電子契約に絡んでくる法律を紹介しつつ、結局電子契約でどれだけの契約を締結できるのかをお伝えします。
といっても、結論を言ってしまうとほとんどの契約は電子契約で済ませることができます。ここではまず、数が限られる「電子契約できないもの」を表にまとめておりますので、こちらをご覧ください。

電子契約に制限のかかる契約一覧
契約名 | 制限内容 | 関連する法律 | |
---|---|---|---|
電子契約できない | 定期借地契約 | 書面しか認められていない | 借地借家法 22条, 38条1項 |
定期借家契約 | 書面しか認められていない | 借地借家法 22条, 38条1項 |
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書面が必要 | 賃貸借契約 | 重要事項説明書と宅建業法37条書面については宅建士の記名・押印と書面での交付が義務付けられている | 宅建業法 35条, 37条 |
売買契約 | 重要事項説明書と売買契約書については宅建士の記名・押印と書面での交付が義務付けられている | 宅建業法 35条, 37条 |
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売買の媒介契約 | 一部書面での交付が義務付けられている | 宅建業法 34条 |
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注意が必要 | マンション管理委託契約 | 電子交付するには相手方の承諾が必要 | マンション管理適正化法 73条 |
建設請負契約 | 電子交付するには相手方の承諾が必要 |
建設業法 19条3項 施行規則 13条の4 |
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下請け会社に対する受発注書面 | 電子交付するには相手方の承諾が必要 | 下請法 3条2項 |
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不動産特定共同事業契約 | 電子交付するには相手方の承諾が必要 | 不動産特定共同事業法 24条3項, 25条3項 |
以上が書面しか認められていない契約や制限がかかる契約ですが、ここに挙がっていない更新契約や関連業者との契約、雇用契約などについては電子契約が可能です。

電子契約が全面解禁される日はいつ来る?
表にまとめられた制限のかかる契約。現在、これらの制限もなくす法改正の動きが出ています。不動産業界における電子契約の全面解禁が最短で2021年9月1日、最長でも2022年9月1日に実現しそうなのです。
デジタル関連法案(デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に対する法律案)が第204回通常国会に提出されました。
この法案による見直しの中に、
・宅地建物取引業法
・借地借家法
・マンション管理適正化法
・不動産特定共同事業法
・建設業法
の「押印・書面交付を求める手続き」が含まれています。
第204回通常国会の会期である2021年6月16日までに法案が可決された場合、
・売買の媒介契約書(宅建業法34条)
・賃売の重要事項説明書(宅建業法35条)
・賃貸借契約書(宅建業法37条)
・売買契約書(宅建業法37条)
の書面交付が不要になる上、定期借家契約も電子契約可能となります。
つまり、不動産業界に関連する契約がすべて電子契約可能=全面解禁になる可能性があるというわけです。
可決された場合、施行は2021年9月1日を予定しているようなので、不動産業界も楽に契約できる未来がすぐそこまで来ているかもしれませんね。国全体が不動産テックに前向きなのだなと感じます。
不動産システムに興味があるみなさんも、今のうちからできる範囲で電子化に備えてみてはいかがでしょうか。

まとめ
弊社いえらぶGROUPでも、不動産電子契約システム「いえらぶサイン」を提供しています。不動産業界に特化した電子契約サービスになっており、リーシング機能や管理機能とデータが連携しているため、不動産会社の業務を一気通貫でサポートすることができます。
機能が気になる、ツールを使いたいと思っている、という方はぜひお気軽にお問い合わせください。
