告知事項ありの物件、そのことを隠して募集、契約したらどうなるの?

管理会社の業務のひとつに、空室募集があります。

告知事項のある物件、事故物件なんて言ったりするときもありますが、そういった物件は、入居者誘致が難しいですよね。

なかなか入居者が決まらないと困るので、募集時には告知事項ありの物件であることを隠して募集したい!と考える人もいるかもしれません。

実際に隠して募集したらどうなるのかを今回ご紹介します!


告知事項あり物件って?

賃貸管理をしている方ならご存知とは思いますが、まずは告知事項あり物件とはどういうものなのかについておさらいしていきます。

告知事項ありとは、読んで字のごとく、契約する前に入居者に知らせることがあるということです。その内容は主に、部屋で自殺や殺人が起きたことがあるというものです。

事故物件、訳あり物件と一般的には呼ばれています。

自分の前の人がこの部屋で殺されたor自殺したなんて…と多くの人がなってしまうので、成約するのが難しいです。

本来の家賃相場よりも2割から3割ほど家賃を安くして募集している管理会社がほとんどかと思います。

告知事項があることを募集の時から契約完了まで伏せていたらどうなるの?

事故物件の中には、部屋の状態にほとんど問題がなく、人が死んだという事実さえ隠したら、家賃を下げずとも入居者を誘致できるレベルのものもあるかもしれません。

家賃を下げなければいけないのは、管理会社にとっては本望ではないはずです。

では、告知事項を故意に隠して募集し、契約したらどうなるのでしょうか。

結論から言うと、告知事項を隠す行為は宅建業法違反になり、違法行為になります。

入居者が部屋を借りるか借りないかの判断をするときに大きな影響を及ぼすと考えられる事実に関しては、必ず重要事項説明として入居者に説明しなければならないと宅建業法上で定められています。

以下に続くのは平成26年、大阪高裁での判決事例です。

・概要

尼崎市にある8階建て・129戸のマンションの1戸を平成23年5月に競売でAさんは取得しました。

その直後、マンション元所有者の妻が部屋内で自殺しているのが発見されました。

24年8月の前まで部屋に入居した者はおらず、平成24年7月に募集・契約を仲介業者にAさんは委託し、8月末にBさんと賃貸借契約を締結しました。

当時妊娠六か月の妻と共に居住するのがBさんの引越しの目的でした。

妻と共に8月末にBさんが引越してきた日、同マンション居住の知人から契約締結した部屋で居住者が自殺した事実を知らされました。

契約締結時には、Bさんは自殺に関することをAさんや府増産会社の人からは何も聞かされていませんでした。

Bさん夫妻は、驚愕して妻は実家に、Bさんは以前住んでいたマンションに戻りました。

Bさんは、賃貸借契約締結の為に支払った金額や慰謝料の損害賠償をAさんに請求し、告知事項を告げる義務を怠ったとしてAさんを訴えました。

・判決

Aさんは、競売後の手続きは人に任せていて、自分は知らなかったと主張しましたが、それはあまりに不自然な経緯だとして裁判官に主張を退けられました。

自殺の後、Aさんがリフォームの指示を出していたこともあり、自殺の事実を知らなかったことはあり得ないとして、Bさんの損害賠償請求を認めました。

この判例からも分かるように、告知事項を隠して入居者と賃貸借契約を結ぶことは、違法行為であり、損害賠償を払うことになることもあります。

まとめ

管理している物件、所有している物件で人が死ぬ事件が発生してしまうと不動産価値は大きく下がり、賃貸経営にも大きな被害が出ます。

資産的に余裕がない等、告知事項を隠してでも空室募集しなくてはいけないという状況にあり、隠して募集してしまおうかなと思ってしまう方の気持ちも理解はできます。

ですが、実際に行動に起こしてしまうとそれは前述したように、違法行為になってしまいます。

マンションであれば、ほかの入居者が知っていますし、今やネットで調べればほとんどのことが分かってしまいます。

隠していても告知事項ありの物件であることは、バレてしまうと思います。

隠して契約して、損害賠償を請求されてしまっては、かえって損をしてしまいます。

事故物件であることを告知して家賃を下げて契約を結ぶことは、宅建業法上でも定められていますので、しっかり守って空室募集してくださいね!

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